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» 2011年04月15日 12時00分 UPDATE

LightSwitchで情シスを効率アップ(1):疲れたあなたに微笑みの一時を (1/2)

[吉村哲樹,@IT]

厳しい市場環境に対応するために、ユーザー部門は業務に必要なシステムを随時、要求してくる。これに迅速・柔軟に応えるために、今、企業の情報システム部門はさらなる効率化が求められている。だが、リソースの問題もあり、なかなか思うような対応は難しい。ではどうすれば良いのか? 本連載では、マイクロソフトが近く提供開始する「Visual Studio LightSwitch」に光を当て、情シスの効率アップの実現手段を考えていく。

“新たな役割”を求められている情報システム部門

 今日、企業ITの在り方は大きな転換期を迎えている。リーマンショック以降の不況期、多くの企業でIT予算は真っ先に凍結、もしくは削減の対象となった。後に業績を回復した企業でも、ITの投資対効果には、今までにないほど厳しいチェックの目が注がれるようになっている。

 一方で、不況によるダメージから脱した企業は、競合他社に先駆けていち早く経営再建のスタートダッシュを決めようと、新たな経営戦略の策定と実行に余念がない。これに伴い、企業ITにも“今までとは異なる在り方”が求められるようになってきている。

 さらに、企業のIT資産に対する考え方にも大きな変革が訪れつつある。言うまでもなく、クラウドコンピューティングの台頭だ。これまでのような「ハードウェアとソフトウェアを一括購入して社内で保有するITの使い方」は、今後大きく変化していく可能性がある。

 そして、こうした企業ITの変革期を迎えたことに伴い、やはり新たな役割が求められつつあるのが企業の情報システム部門だ。これまでのように、「長期間かけて構築したシステムを、長期間にわたり運用していくこと」を前提としたシステム戦略の立て方では、先に挙げたような新たな潮流に取り残されてしまうためだ。

 では現在、情報システム部門にはどのような役割が求められているのだろうか? 以下では、今、多くの企業の情報システム部門が直面している課題をいくつか例示してみよう。

「重厚長大型」プロジェクトに置き去りにされる現場ニーズ

 情報システム部門における業務システムの構築プロセスは、どの企業でもおおむね次のようなものだろう。

 まず、ユーザー部門からシステム化の要望が上がってくる。情報システム部門は、それらの要望を各部署と調整しながら、あるいは予算や人的リソースとの兼ね合いを図りながら、優先的に取り組むべき案件を選定し、システム化プロジェクトを立ち上げる。そして社外のSIerや製品ベンダとともに、実際のシステム化作業に取り掛かる。

 このように振り返ってみると、RFP策定やベンダ選定、工数見積もりなど、プロジェクト立ち上げまでのフェーズだけでもやるべきことは多いと分かる。そして、いざプロジェクトが始動した後は、社内外のステークホルダーと細かい調整を繰り返しながら要件定義、機能設計、詳細設計、コーティング、テスト……と、実に長い期間と膨大なコストを投入して、1つのプロジェクトを進めていく。

 一定以上の規模の業務システムとなると1年以上、場合によっては数年掛かりのプロジェクトになることも珍しくない。こうして膨大な量の時間とお金かけて構築したシステムを3年なり5年なり運用し、一定期間が過ぎればまた再構築する。

 従来であれば、こうした「重厚長大型」のプロジェクトを一定サイクルで回していくことでシステムを維持できた。基幹系システムに関していえば、こうしたやり方は今でも有効だろう。しかし、こと情報系システムに関しては、もはや通用しないケースが増えてきている。

 今日、市場環境が変化するスピードは、一昔前とは比べものにならないほど速い。消費者のニーズは刻一刻と変化し、市場には次々と新たなプレーヤーが参入してくる。3年後はおろか、1年後にビジネス環境がどうなっているかさえ、正確に予想するのは困難である。

 そんな時代にあって、企業ITに求められるのは、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に追従できる業務システム??業務部門のエンドユーザーが、「今、この時に」直面している課題を、迅速に解決できるシステムだ。

 だが、情報システム部門の予算や人的リソースには限りがある。そのため、どうしても進行中のプロジェクトを優先するあまり、多くの現場ニーズを後回しにせざるを得ない。

 ユーザーの要望には、できるだけ多く応えたい。しかし、人もお金も割く余裕がない??こうしたジレンマに、今、多くの企業の情報システム部門が直面しているのだ。

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