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» 2011年06月02日 12時00分 UPDATE

LightSwitchで情シスを効率アップ(2):アプリ作成が簡単って本当? LightSwitch手探り検証 (1/3)

前回は企業の情報システム部門が直面しているさまざまな課題を挙げ、“簡単・迅速に業務アプリケーションを作れる”Visual Studio LightSwitchがどう役立つのかを考えてみた。そこで今回は、いよいよ実機を使って“簡単・迅速”という言葉の真偽と、その有用性を検証してみた。

[吉村哲樹,@IT]

ビジネスが求める俊敏性に、情シスは応えられているか?

 前回は、企業の情報システム部門が抱えるさまざまな課題を挙げ、その解決手段としてマイクロソフトが開発を進めているアプリケーション開発ツール「Visual Studio LightSwitch」(以下、LightSwitch)について簡単に紹介した。今回からは、LightSwitchでいったいどんなことができるのか、情報システム部門における、どのような課題を解決できるのか、具体的に紹介していきたい。

 その前に、前回挙げたいくつかの業務課題について、簡単におさらいしておこう。

 今日、企業を取り巻くビジネス環境は、目まぐるしいスピードで変化している。ユーザーニーズや競合他社の動き、景気動向などが変化するサイクルは、ひと昔前とは比べものにならないほど短い。さらに東日本大震災を契機として、予期せぬ災害への対応も重視されるようになった。

 当然ビジネスの現場では、こうした環境変化への迅速な対応が求められている。業務を支えるITシステムもしかりだ。よって、情報システム部門は環境変化に迅速かつ柔軟に追従できるシステムの提供が求められているのだが、多くの場合、予算や人手、時間的な制限のために、ユーザーの要望になかなか応えられないのが実情だ。

 しかし、そうは言っても、現場のユーザーは悠長に待っていてはくれない。結果、ユーザーが自ら作ったExcelのシートや簡易アプリケーションが、社内に散在することになる。これらは確かに現場ユーザーに多くの利便性をもたらすが、同時に弊害も生む。特に情報システム部門にとっては、社内データの整合性やセキュリティの担保といったガバナンス面での問題が持ち上がってくる。

 また、ユーザーにとっても、あまりに多くのExcelアプリケーションが社内に散在していては、どのデータがどこにあるのか、どのデータが最新のものなのか、管理するのが極めて煩雑になってしまう。

 特にExcelは本来、個人用途を前提としている。複数人で情報を共有するためのツールとしては自ずと機能に限界があるのだ。誰かがシートを開きっぱなしで帰宅してしまったために、データを更新できずに困ってしまった、というようなことは誰しも一度は経験しているのではないだろうか。

アプリ開発の効率アップでユーザーニーズに迅速に応える

 マイクロソフトによれば、LightSwitchは企業の情報システム部門が抱えるこうした課題の解決に極めて適しているという。その理由は、同社がLightSwitchのキャッチコピーとして掲げる「本格的な業務アプリケーションが驚くほど簡単に構築できる」という売り文句に凝縮されている。アプリケーションの開発効率を大幅に向上させることによって、情報システム部門の業務効率を上げ、現場ユーザーのニーズに迅速かつ柔軟に応えられるようになるというわけだ。

 しかし一言で「業務アプリケーション」と言っても、その種類は多岐に渡る。基幹系システムのパッケージ製品の分野だけを見渡しても、会計・財務、人事、販売管理、生産管理などがあるし、情報系システムにもCRMSFABIなど、さまざまなソリューション領域がある。とはいえ、どのソリューション領域であれ、業務アプリケーションの基本的な骨組みはすべて共通だ。すなわち、バックエンドのデータベースと、その内容を参照・更新するフロントの画面で構成される。

 LightSwitchは、この「データベース+画面」という業務アプリケーションの最も基本的な枠組みを、極力簡単に開発することを目指している。実際のところ、その開発手順も至極単純にできている。

 具体的な作成ステップとしては「データを定義する」→「データとひも付く画面を定義する」。大まかに言うと、これだけで基本的な開発作業はほぼ完了する。あとはアプリケーションの「外観やデプロイ方式」を定め、実際の「環境に展開」するだけだ(図1)。

ALT 図1 LightSwitchによる業務アプリケーションの作成ステップ。基本的には「データを定義する」→「データとひも付く画面を定義する」という2ステップでアプリが完成する

 とはいえ、この説明だけでは、LightSwitchがいったいどのような製品なのかピンと来ない方も多いかもしれない。何せ、この手の「データベースアプリケーションの簡単開発ツール」は、それこそLightSwitchが登場するはるか以前から、さまざまなベンダから多種多様なものが提供されている。

 では、LightSwitchはそうした従来のツールといったい何が異なるのだろうか? 具体的にどんなメリットを享受できるのだろうか? そして「簡単・迅速」という言葉に本当にいつわりはないのか?――

 これらは言葉だけで説明していくよりも、実際の開発手順を追いながら紹介していく方が分かりやすい。そこで以降では、実際にLightSwitchを使った簡単なアプリケーション開発の手順を追いながら、その使い勝手や特徴的な機能を紹介していこう。ちなみに筆者は本稿を執筆するに当たり、「簡単・迅速」を確かめるために、あえてシンプルなデモを一度見るだけにとどめ、マニュアルなども一切参照しなかった。そうした“まったくの手探り状態”でトライしたことも最初に明記しておこう。

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