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» 2012年04月04日 12時00分 UPDATE

業務効率化ツール最新トレンド(2):Chatterで考えさせられる“情報共有の真の目的” (1/3)

情報活用の在り方として、「分析」とともに課題となり続けてきたテーマが「共有」だ。グループウェアをはじめ、さまざまなITツールが存在する中で、今、企業の注目を集めているChatterは情報活用の在り方にどのような可能性を示してくれるのだろうか。

[内野宏信,@IT情報マネジメント編集部]

情報共有の新しいカタチ

 昨今、大量・多種類のデータの分析・有効活用を意味する「ビッグデータ」がクラウドに次ぐキーワードになっている。その一方で、情報活用の在り方としては「分析」とともに「共有」も多くの企業において課題となり続けてきた。

 例えば、TechTargetジャパンが2011年7月に行った「情報共有に関するアンケート調査」(調査対象:TechTargetジャパン会員/調査期間:2011年7月12日〜21日/有効回答数:200件)によると、電子メール、ファイルサーバ、グループウェアがほとんどの企業で導入されているにもかかわらず、情報共有環境に「満足している」と答えた企業はわずか1%。「不満を感じている」企業が37.5%にも上った。

 中でも多くの企業が課題と感じているのが、「情報共有のポリシーができていない」(48.0%)、「情報の検索・再利用が難しい」(44.0%)ことだ。グループウェア導入済み企業でも「グループウェアの課題」として、「一部の機能しか利用していない」(27.8%)ことなどを挙げており、情報の多くは有効に共有できないまま、死蔵させてしまいがちな傾向が読み取れた。

 こうした中、従来のグループウェアとは異なるアプローチで情報共有を可能にするとして、企業の注目を集めているのがSalesforce Chatter(以下、Chatter)だ。Chatterは同僚の近況や商談の進捗、データや資料などをリアルタイムに共有できるコラボレーションツールとして2010年6月にリリース。以降、導入企業数を伸ばしている。

 自分の発言やフォローしたユーザーの発言がタイムライン上に表示される点はTwitterと同様だが、Chatterの場合、フォロー対象が人だけではなく、商談や見積もり、プロジェクトの進捗など、刻々と変化し続ける社内の「情報」をフォローできる点が大きな特徴だ。

ALT 図1 Chatterの画面イメージ。フォロー対象が「人」だけではなく、商談や見積もり、プロジェクトの進捗など、社内の「情報」をフォローできる点が大きな特徴とされている

 具体的には、取引先の属性情報や商談進捗状況など、Sales Cloud、Service Cloud、Force.comといったセールスフォース製品で管理している各種オブジェクト(データベースや各種ドキュメントなど)のうち、フォローしたいオブジェクトを選んで設定しておけば、オブジェクトが更新された際、自動的にタイムラインにその最新情報が表示される。これにより、同僚の発言から商談やプロジェクトの進捗状況、各情報に対する同僚や上司のコメントまで閲覧し、返信できることで、ユーザー1人1人がそれぞれの視点で情報を把握・共有できる仕組みとなっている()。


:なお、セールスフォース製品を未導入の企業に向けた「Chatter.com」と、セールスフォース製品を導入済みの企業に向けた「Chatter Free」という2つの無償版もそろえているが、以上のオブジェクトをフォローできる機能は有償版の「Chatter Plus」に限られている


 ただ、TwitterやFacebookのような感覚で情報共有できるとして注目を集める一方で、先のアンケートでは「効率が落ちる」として、社内SNSやメッセンジャーを禁止している企業も少なくないことが分かった。特にChatterに対する企業の評価は、その文化によって二分される傾向にあるようだ。

 では実際のところ、導入企業はChatterをどのように使い、どのように評価しているのだろうか? 互いにChatterの活用事例を交換したり、会に参加する企業間でのChatter活用にも乗り出している「Salesforceユーザーグループ」の中心メンバー、サイバネットシステム メカニカル CAE事業部マーケティング部の三宅毅氏と、AZホールディングス 執行役員の稲垣智彦氏に話を聞いた。

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