現在はナローバンドでも、今後、環境さえ整えばブロードバンドを導入したいと考えている人もいるだろう。図36は、ナローバンド利用者に、ブロードバンド導入の意向を尋ねたものだ。これを見ると、導入を「検討している」あるいは「申し込み手続き中」と答えた人が合計で63.4%。この割合を総務省発表のダイヤルアップ接続者数(約2152万人)に当てはめて将来のブロードバンド利用者数を単純計算すると、約1350万加入となる。現在600万人以上いる利用者と合わせて、約2000万人のブロードバンド利用者が生まれる計算だ。
一方、ブロードバンドの導入を「検討している」もしくは「申し込み手続き中」とした人のうち、プロバイダの乗り換えを「検討している」と答えた人の割合は、46.4%に上る(図37)。ブロードバンドの導入時が、プロバイダの乗り換えにちょうといいタイミングということだろうか。その理由を詳しく見てみると(図38)、「ほかのプロバイダのブロードバンドサービスの方が魅力的」という理由が36.8%でトップ。よりよいサービスを求めてプロバイダを渡り歩く、浮動ユーザーの姿が垣間見える。この浮動層をうまく捕まえるか否かで、プロバイダの勝ち組・負け組が決まるのだ。