ネットの中でオシャレを競おう
アパレル業界も巻き込んでアバターブーム到来か
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聞き慣れない人も多いと思うが、「分身・化身」という意味のサンスクリット語がアバターだ。ネットの世界では、自分の身代わりとなる小さな人形型のデータのことを指す。
アバター先進国は韓国だ。99年ごろからアバターサービスが始まり、現在では10〜20代の若者を中心に約1800万もの登録ユーザーがいるという。韓国のインターネットユーザーが約2000万人というから、9割のユーザーが利用していることになる。彼らは服や靴、バッグ、アクセサリー、ペットに至るまで豊富に用意されたアイテムから、自分のアバターの着せ替えを楽しみ、仲間と見せ合って盛り上がる。メールの署名欄に表示させたり、掲示板の書き込み時に表示したりと、自分のアバターを表示させる機会はネット上のいろいろなシーンに広がっているのだ。
韓国でアバターサービス「Entica」を展開するOnNetの金珠英氏は、「テキストだけでは自分の個性を十分表現できない、ネット上でもっと自分を表に出したいと思う若者がアバターに飛びつき、韓国で流行しているネットワークゲームと連動して広まっていったのではないでしょうか」と、アバターが韓国で流行した理由を分析する。
左から2つずつ「Yahoo!アバター」「Cafesta」「ハンゲーム」のアバター
そのアバターだが、日本でも本格的に広まりそうな気配だ。Yahoo! JAPANが4月8日に「Yahoo!アバター」を開始。本人確認サービスを利用しているユーザーなら無料で利用できる。現在はYahoo!オークション、Yahoo!メンバーディレクトリのプロフィール欄で表示されるが、今後はYahoo!ゲーム/チャット/パーソナルズ/メッセンジャーなどへも対応を広げていくという。
アバターは、コミュニケーションツールとしてだけでなく、新たな広告宣伝媒体としても期待されている。「たとえば、リアルの世界で商品として売られている洋服などをパーツとして提供し、アバターの身に着けたそれらのアイテムからYahoo!ショッピングへリンク、購入を誘導することが可能。また、レアアイテムを少額課金で販売したり、有名人によるデザインアイテムなど、さまざまな展開が考えられます」(ヤフー広報・細川正人氏)
日本ですでにアバターサービスを提供している「Cafesta」でも、テレビ大阪のアニメーション番組のキャラクター衣装をアイテムに加えたり、表参道の人気セレクトショップデザインによるアバターアイテムを発売するなどの展開を進めている。
先のOnNetは、Cafestaにシステムを提供しており、Lycos Japan、エキサイトなどの日本のポータルとも話を進めているという。大手ポータルサイトの参入で、利用機会も広がるだろう。アバターが日本でもブレイクするか?
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■Yahoo!アバター
avatar.yahoo.co.jp
Yahoo! KOREAで人気のサービスを日本向けにカスタマイズして提供。本人確認サービスを利用するユーザーは無料で利用可能。当初400以上のアイテムを用意する
■Cafesta
www.cafesta.com
パワードコムが運営するコミュニケーションサイト。HTMLにタグを埋め込むことで、アバターを自分のホームページや掲示板にも表示できる。登録は無料(アイテムは有料)
■ハンゲーム
www.hangame.co.jp
ネットワークゲームサイト。イケてるコーディネートを競う「アバコン」(アバターコンテスト)も盛況。登録は無料(アイテムは有料)
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文/編集部
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