VoIP対応ADSLモデムの開発の遅れから、IP電話ユーザーのみ1ヶ月遅れのサービス開始となったアッカ・ネットワークスの26Mサービス。とはいえ、新規申し込み、既存サービスからの乗り換えともに同時に開始されており、現時点では12Mサービスからの乗り換えが可能な数少ないADSL事業者の一つとなっている。
気になる実環境での速度だが、前述したYahoo! BB 26Mと同じく、線路長1.57km、伝送損失28dBの環境に導入したところ、実効速度で8.36Mbpsと、Yahoo! BB 26Mサービスに次ぐ高い速度を実現できた。同社のサービスの場合、ADSLモデムの設定画面から回線ステータスを確認できるのだが、リンクアップ速度は9.76Mbpsで接続されており、きちんとオーバーラップを利用したAnnex Iで接続されていることも確認できた。従来の12Mサービスとの比較では、リンク速度、実効速度ともに1Mbps強の速度向上となっている。
ただし、実際にAnnex Iで接続されるかどうかは、線路長や伝送損失などの条件次第。こちらも詳細な情報が公表されていないため、あくまでも推測にすぎないが、おそらく2.5km前後の線路長までG.992.1 Annex Iが利用され、それ以上の場合はG.992.1 Annex Cで接続される仕様になっていると考えられる。
Annex Iで接続された時のビットマップを見てみると、1400kHzあたりを境にビットの搭載量が減り、1700kHz以降はほとんど使われていないことが確認できる。単純に周波数帯が2倍になっても速度が2倍になるわけではない、よい例だろう。
アッカ・ネットワークスでレンタルされるVoIP対応のADSLモデムも無線LANへの対応が可能。ルーター機能に加え、無線LANにも対応。最大54Mbpsの802.11aや802.11gにも対応しているため、26Mサービスで利用しても無線LANがボトルネックになることがない。
NECアクセステクニカ製となる「Aterm WD632GV」。装着できる無線LANカードは同じくNECアクセステクニカ製に限られるが、WL54AGなどを利用することで802.11a/b/gにも対応できる