こうした運動を見ると、要するに米国ではネットと現実世界をどうつなげるかに重点を置いているのが分かる。恐らく日本では、今回は一方的にブログやTwitterなどで、候補者がメッセージを送るだけになるだろう。それでは有権者の関心をひき、一票につなげるのは難しいだろう。
候補者とネットで直接対話すれば、ぐっと親近感が湧く。例えばどれだけ安倍晋三が嫌いでも、実際に直接会って人間として会話でも交わせば、「一票入れてやるか」という気になる人は多いだろう。その感覚に近づけたのが、オバマがやったネット選挙運動だった。
さらに米国ではもうひとつ、選挙のあり方を一変させた重要なことがある。ネットが選挙資金を獲得するために絶対に欠かせないツールになっているのだ。従来型の「支持集会」「パーティ」なんかよりもネットによる個人の献金は間口が広い。ゆえに規模も断然大きい。例えば2008年の大統領選でオバマは小口献金として7億5000万ドルを集めたが、そのうちの5億ドルはネットを介した献金だった。
米国ではこんなネット選挙運動が5年前に確立されていた。ただ日本で同じことをしても、国民性の違いなどからオバマが生んだようなムーブメントは実現できないかもしれない。せめて日本ならではのネット選挙運動が生まれてほしいものだ。
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