ニュース
ドコモ、グリーン基地局の電力利用効率を上げる「ダブルパワー制御」に成功
ドコモが、基地局が利用する電力の「ダブルパワー制御」の実証実験に成功した。基地局の運用に必要な電力の95%以上を、環境負荷が少ない電力で賄えるという。
NTTドコモが3月6日、基地局が利用する電力の「ダブルパワー制御」技術の実証実験に成功したことを発表した。
ダブルパワー制御技術では、太陽光発電が停止する夕方から夜間電力が始まる23時までの間、環境負荷が少ない「昼間の太陽光発電の余剰電力」と「夜間電力」をためた、リチウムイオン蓄電池の電力を優先して使うよう制御する。
この技術により、7時から23時までの昼間電力の利用を、従来のグリーン基地局より90%ほど抑えられ、基地局の運用に必要な電力の95%以上を、環境負荷が少ない電力で賄えるという。
今後、フィールド試験用に設置しているグリーン基地局10局のうち、3局にこの技術を順次導入し、商用設備としての品質検証や地域別の特性評価を実施したうえで、早期の商用化を目指す。ドコモは2015年3月末までにグリーン基地局の商用基地局を北海道から九州まで11局設置し、2015年4月に全局で運用を開始する。
ダブルパワー制御を導入したのは、国内の通信事業者ではドコモが初となる(2015年3月時点での同社調べ)。ドコモは今後も、環境負荷低減に貢献すべく、全国の市区町村にグリーン基地局を積極的に導入するとしている。
関連記事
- ドコモ、「グリーン基地局」のフィールド実験を拡大 全国導入を計画
ドコモは、太陽光発電を活用する「グリーン基地局」のフィールド実験を拡大。2014年度中に全国エリアで導入すると発表した。 - ドコモ関西、クローバーによる基地局緑化でCO2を削減
ドコモ関西は、基地局の敷地内にクローバーを植える環境対策を発表した。緑化で夏場の表面温度を下げられ、CO2削減になるという。 - ドコモ、基地局の長期停電対策で燃料電池を使用――遠隔操作による省電力化も
ドコモが、災害時などで長期停電となった際の、基地局における新たな対策を発表した。従来の鉛蓄電池よりも軽くて小型の燃料電池を運用するほか、停電などで基地局装置が非常用電源で運用された場合、遠隔操作で省電力化を図る。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.