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「セキュリティはMSの資産になる」とゲイツ会長

» 2004年07月30日 08時02分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftではソフトの強化と管理アプリケーションを通じ、セキュリティを「不安」から、「ビジネス資産」「機会」に転換させようと努めている――。会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が7月29日、金融アナリスト向けの年次説明会でプレゼンテーションを行い、こう語った。

 現在、企業顧客にとって最大の関心事はセキュリティとネットワークの複雑さだとゲイツ氏は指摘。顧客が知りたがっているのは、自社のシステムをいかにアップデートするか、そして、パスワードを離れてスマートカードとバイオメトリクスのシステムにどう移行するかだという。

 同氏によれば、Microsoftはこうした懸念に対応するため、さらにセキュアなソフトの開発と、Microsoft Operations Manager (MOM) およびSystems Management Server (SMS)を含むソフト管理アプリケーションの提供に取り組んでいる。その結果、セキュリティはMicrosoftにとって永続的な問題だとの見方は変わるはずだと同氏は言う。

 「セキュリティ分野は当社にとって懸念すべきことから、重要なビジネス資産および機会へと転換する」とゲイツ氏。

 ただ、そのような変化には時間がかかるかもしれない。Microsoftは今月、パッチのための重要な製品であるWindows Update Services (WUS)とパッチ適用のための単一サイト「Microsoft Update」、およびソフト管理製品の「System Center 2005」が、2005年上半期までずれ込むことを明らかにしている。

 ゲイツ氏はアナリスト会合の開幕スピーチで、Microsoftにとってのもう一つの優先課題にも焦点を当てたが、こちらも同じような遅れに見舞われるかもしれない。同社は企業顧客にソフトをもっと頻繁にアップグレードしてもらいたい意向で、ゲイツ氏はこれを、ビジネス環境における「ソフト革新のペース」の促進と呼んでいる。

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