触れるのは初めて──飛行機の“鼻”がNFCポスターに ヤフー、JAL、DNPが那覇空港で実験
「一般の人が触れるのは初めて」という旅客機部品で制作したNFCポスターを使い、那覇空港でスマートフォンアプリの配布実験が始まる。
ヤフーと日本航空(JAL)、大日本印刷(DNP)は7月24日、那覇空港構内でスマートフォンアプリの配布実験を始めると発表した。飛行機の機体部品を使った特殊ポスターと近距離無線通信(NFC)を組み合わせ、観光客のスマートフォン向けに沖縄のクーポン情報アプリを配布していくという。
7月26日〜9月30日にかけて、那覇空港の構内に「一般の人が触れるのは初めて」(JALの清水俊弥氏)という飛行機の先端の“鼻”のような部品「レドーム」で制作した特殊ポスターを設置。ユーザーはNFC対応スマートフォンをポスター表面のリーダーライターにかざせば、沖縄の観光/クーポン情報アプリを簡単にダウンロードできる。
配布するのは、沖縄の店舗情報や観光スポット情報、クーポン情報などを配信するAndroid/iPhoneアプリ「JAL沖縄」。ヤフーの位置情報サービス「Yahoo!ロコ 地図」との連係機能も搭載し、ユーザーが現在地周辺の観光スポットを見つけたり、人気の店を地図上でチェックできる仕組みを用意した。Facebook/Twitterへの投稿機能も備え、観光情報をソーシャルメディア上にシェアできる。
ポスターの製作とNFCリーダーライターの提供はDNPが担当した。ヤフーとDNPは従来から、NFCを活用してスマートフォンアプリを配布する「スマートポスター」キャンペーンを実施してきたものの、「これまでのスマートポスターは人ごみなどに埋もれてしまいがちで、気付かれないことも多かった」(ヤフーの内田成男氏)という。
今回は「これまでJALの整備員くらいしか触ったことがない」(清水氏)という「ボーイング747-400」のレドームを使った立体的なスマートポスターを採用。子ども連れの観光客などをメインターゲットとし、「とにかく気付いてもらい、ユーザーの好奇心に訴えていきたい」と内田氏は意気込む。
アプリはスマートポスターを通じた配布のほか、26日からGoogle Play/iTunes AppStoreでも配信する。ヤフーとJAL、DNPは同実験を通じ、今後普及が見込まれるNFC対応スマートフォン向けキャンペーンの有効性などを探るとしている。
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