これでWindows 10を導入する気になる? 公開1年記念アップデートで変わること:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
強引な無料アップグレード施策が物議を醸す「Windows 10」。今夏に控えた大型アップデート「Anniversary Update」でOSとしての完成度、評価は高まるだろうか。
その他の仕様変更
それ以外の仕様変更もざっと紹介していこう。
Anniversary UpdateではCortana自体も進化。デバイスがロックされた状態から起動して利用したり、対応アプリではユーザーの予定から行動を予測した提案を行ったりすることが可能になる。
MicrosoftはひっそりとWindows 10の要求スペックも少し変更している。特に「最小メモリが2GB以上」になった点は見逃せない。これまでデスクトップ向けWindows 10の最小メモリ構成は32bit版が1GB、64bit版が2GBだったが、32bit版についても2GBに引き上げられたのだ。詳細はMicrosoftがハードウェアの最小動作要件をまとめた資料に記されている。
これは正確には、Anniversary Updateのみを対象にした要件変更ではないのだが、実際は現行のWindows 10についてもメモリ1GBでは動作が非常に厳しいだろう。Windows Vista世代以前の低スペックなPCを使い続けているユーザーはそろそろ買い換えのタイミングかもしれない。
2016月5月にWindows 10のハードウェア要求仕様が変更され、32bit版と64bit版ともにWindows 10のデスクトップ版は最小動作メモリが2GBとなった(従来までは32bit版は1GB)。多くの既存ハードウェアでは問題ないと思われるが、Anniversary Update以降の適用となるので、該当者は注意が必要だ
また、「Programabble Tiles」と呼ばれるOEMメーカーが独自にカスタマイズ可能なスタートメニューにおいて、変更可能なタイル数が従来の5個からAnniversary Updateでは10個まで増加している。ここにはOEMメーカー製のアプリや、宣伝を兼ねたソフトウェアメーカーの期間限定アプリなどが配置されることが多い。
これらは全て「アンインストール可能」なことを条件に、プリインストールされて出荷されてはいるものの、「不必要なアプリ」はすぐに消したいと考えるユーザーも多いだろう。そこで前出のクリーンインストールを行う新ツールの登場となる。これらの新機能を組み合わせて、Anniversary Updateでより快適になるWindows 10を使ってみてほしい。
細かいルール変更だが、MicrosoftがOEMメーカー各社に許可しているスタートメニューのタイルのカスタマイズ範囲が従来の最大5個から、Anniversary Updateでは最大10個まで増加している。Anniversary Updateに対応したWindows 10プリインストールPCを購入する場合、プロモーション系アプリ数が増加している可能性がある
この他にも新ハードウェアのサポートなど、細かいアップデートもみられる。これらは今後の連載の中で順次フォローしていきたい。
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