ファイルメーカーで商用ウェブサイトを構築する
第1回 メルマガからウェブサイトへ ZDNet実践編(2/4)
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MacWIRE Onlineをフル・ファイルメーカー化
それまで有料だったメールマガジンを無償にし、ウェブとメルマガを逆転させるという決定がなされました。つまり、フルテキストはウェブのほうに掲載して、そのタイトル、サマリー、記事へのURLのみをメルマガに掲載することになったのです。その決定に合わせて、メール制作だけでなく、ウェブパブリッシングまで同じ制作システムで行うことになりました。つまり、ウェブ用の記事を書いて、掲載し、深夜にそれをまとめたメールマガジンを発行するのです。紙からメールへ、そしてウェブへとコンテンツの中心が移っていったのです。
当時、Macのチャンネル以外のコンテンツ制作はどうしていたのでしょうか? 記事の執筆を専門に行う記者がいて、HTML化するための外部デザイナーを置き、記者は記事を書くだけで、ページの更新自体はデザイナーが行うか、やはり専任のスタッフが行うというケース。記事の執筆からHTML化、インデックスページの作成まで編集者が単独で行うケース。いずれにしても、高度な技術とノウハウの蓄積が必要で、ウェブ制作に未熟なMacWIREの編集部員には負担が大きすぎました。手作業では間に合わないほど、人的リソースが不足していたのです。ここは、オートメーションの力を借りるしかないわけです。
ただ、このリソースの不足はわれわれの部署だけの問題だったようで、優れたデザイナー、スタッフのいる部署では現状のままでよいわけです。だから、全社的なシステムが必要であるという認識は、とくにあがってきませんでした。そこで、われわれは部署単位でソリューションを構築する必要があったのです。ここで、再びファイルメーカーの出番となります。
詳しい構成は次回以降で解説しますが、この時点での制作システムの特徴は、
- 記事をファイルメーカーに入力
- データベースはファイルメーカー Serverで管理
- JeditとAppleScriptを使いAppleShareサーバにHTMLデータを書き出す
- AppleScriptでFTPクライアントソフトのAnarchie (現在のInterarchy) を制御し、ステージングサーバにFTPする
- Better Telnet (telnetクライアント) を使って、ステージングサーバから複数のウェブサーバにHTMLデータを配付する (AppleScript制御)
- ウェブサーバへの配布が終わったら、UVJ Mailerを使い、更新情報をZDNetの内部メーリングリストに送信 (AppleScript制御)
という一連の流れをすべてファイルメーカーを使って制御するというところにあります。社内のファイルメーカー Serverにアクセスできる環境にあれば、編集部員がどこにいようと作業を行うことができます。デザイナーやアップ専門のスタッフがいなくても、執筆者・編集者自身が最終アップまで確認しながら行うことができるのです。
[松尾公也, ITmedia
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