富士通、AMDとタッグ 自社CPUと“H200超え”GPUで「低電力AI基盤」 27年初頭に投入
富士通とAMDは11月1日、低コスト・低電力なAIプラットフォームの実現に向け、戦略的協業を始めた。富士通のCPU技術とAMDのGPU技術を組み合わせ、AIやHPC向けのコンピューティング基盤を共同で開発。2027年初頭に、ハードウェアとソフトウェアの両面からAIを支えるサービスの提供を目指す。
富士通では、省電力CPU「FUJITSU-MONAKA」を開発している。2ナノメートルテクノロジーを採用したArmベースのCPUで、低電圧技術など富士通の独自技術により競合比2倍の処理性能と電力効率を目標に開発。データセンターを始め、AIやHPCで活用できるとしている。
一方AMDでは、AI向けの高性能GPU「Instinct アクセラレータ」を提供している。最新モデル「MI325X」では「米NVIDIAのGPU『H200』に比べて、容量が1.8倍、帯域幅が1.3倍に向上している」とし、例えば、大規模言語モデル(LLM)「Mixtral 8x7B(FP16)」での推論性能は、H200を1.4倍上回るという。
協業では、FUJITSU-MONAKAとInstinct アクセラレータを組み合わせることで、大規模なAI処理を実現し、データセンターのコスト削減などを目指す。他にも、両社の持つソフトウェア基盤を活用し、オープンソースソフトウェアをベースにしたAI向けソフトウェア開発を推進。エコシステムの拡大を検討するとしている。
AI事業について「僕たちは焦っているわけではない」
記者会見には、富士通のヴィヴェック・マハジャンCTO(Chief Technology Officer)などが登壇。「AI技術の進化の速度を考えると、2027年のサービス提供では遅いのではないか」という記者からの質問に対し、ヴィヴェックさんは「僕たちは焦っているわけではない」と答えた。FUJITSU-MONAKAの提供も2027年予定であり「それは半導体業界ではそんなに長い時間ではない」という。
「AIの技術はまだまだこれからだと考えている。AIエージェント技術の拡大もあるだろう。これをビジネスに落とし込むにはさらに時間がかかる。だからこそ、一社だけで開発をするのではなく、協業によってコストカットなどのシナジーを生み出す必要がある」(ヴィヴェックさん)
また「富士通全体ではITサービスにシフトしていると思うが、なぜ今ハードウェアで新たな協業をするのか」との質問に対しては「顧客に対しさまざまな選択肢を提供することが重要だ」と回答した。「ハードウェアとソフトウェアを含んだ全体的なサービスを用意し、顧客が自由にオプションを選べるようにしていきたい」(ヴィヴェックさん)
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