右手に巨大ヅメ、左手にチェーンソー 人々を高所から見下ろすロボットの正体は……
12月3日から東京ビッグサイトで開催中のロボット展示会「2025国際ロボット展」で、キケンな香りのするとあるロボットが来場者の注目を集めていた。そのロボットは右手に大きなツメ、左手にチェーンソーを備え、人々を高所から見下ろしていた。 まるで「シザーハンズ」な外見のロボット、果たしてその正体は……?
正体は高所作業用ロボット 線路沿いの樹木をギコギコ
ロボットを出展しているのは、鉄道用の保安システムなどを手掛ける日本信号。その正体は、線路沿いで樹木を伐採したり、配電作業をしたりする高所作業用ロボット「ZX-3」だ。両手のツメやチェーンソーは人を傷つけるためではなく、樹木をつかんで伐採するためのもの。国際ロボット展では、実運用時と同様、高所作業車のゴンドラ部分に設置された状態で展示されていた。
日本信号はロボットスタートアップの人機一体(滋賀県草津市)や西日本旅客鉄道と共同で、ロボットによる鉄道メンテナンスの省力化・効率化プロジェクトを手掛けている。日本信号は人機一体が開発した技術をベースにした実用機の製造や販売を担当。ZX-3も、人機一体が開発した高所作業用ロボ「零式人機ver2.0」をベースにした実用機「ZIZAI」シリーズの小型モデルに当たる。
初期にはより大型の「ZX-1」も開発したが、大きさのために場所によっては作業がしにくかったり、配線が露出しているため雨天の作業時などには防水服を着せる必要があったりと課題があった。そこで部材の変更により半分程度にサイズダウンした他、配線を見直して耐水性を高めたのがZX-3だ。
これまでのモデルは高所作業車とロボットが合体したような形だったが、ZX-3は小型化により既存車両のゴンドラに設置しての運用が可能に。さらに両腕は換装可能で、ツメやチェーンソーだけでなくガラス洗浄用のブラシや、トンネルの損傷を確認するための非破壊検知装置も取り付けられるという。
操作は零式人機ver2.0などと同様、別所の操縦席で行う方式。オペレーターはロボットの頭にある2つのカメラを通し、VRゴーグルで映像を確認しながら作業できる。イベント会場では、樹木を模した棒をツメでつかみ、切断はしないもののチェーンソーを振り下ろす様子などを披露した。
腕だけの「ZX-2」も
なお、同社は系列機として重量物の持ち上げや取り外しなどに特化したモデル「ZX-2」も開発している。こちらは高所作業車のブームに作業床を取り付け、その上に操縦装置とアームを取り付けたものだ。アームはウインチで120kgまでの物を吊り下げ・吊り上げでき、重量物の接合やトンネル内の照明器具の交換といった用途での利用を見込んでいる。
日本信号によれば、ZX-2、ZX-3はともに鉄道業界からの発注があるといい、26年度に各1台を納入見込み。販売目標については26年度は計5~10台、27年度は計50~100台の提供を目指すとしている。
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