小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
“使えないAI”から脱却? 2026年注目の「ドメイン特化型モデル」巡る動向を解説(5/5 ページ)
2026年はDSM普及の「助走期間」
こうした要素を踏まえると、Gartnerが戦略的トレンドとして挙げている通り、DSMに対する注目度は高いものの、26年を「DSM普及元年」のように位置付けるのは時期尚早だろう。浸透に向けた環境は整備されているが、解決すべき問題や未知の問題が残されている。26年はこうした課題への対策が検討され、今後の本格普及への道筋がつく「助走期間」と見るべきかもしれない。
一方で進展が見込まれるのは、やはり法務、医療、金融といった、規制産業かつ既製品としてDSMが用意されつつある分野での先行導入だろう。これらの業界は汎用AIの限界が早期に顕在化しており、DSM移行のインセンティブが強い。
26年は、こうした分野での先進企業がDSMで具体的な成果を示し、成功事例が他企業や他業界に波及していく起点となるだろう。導入を検討する企業は、成功事例を参照しつつ、自社業務で汎用AIが期待した成果を上げていない領域の特定や、ドメイン固有データの収集・整備、既製のDSM製品の評価と自社でファインチューニングする可能性の検討を並行して進めることが求められる。
長い目で見れば、DSMの活用は「するかしないか」ではなく「いつ、どのように、どの業務で進めるか」の問題になると考えられる。26年は、その問いに対する答えが具体化される1年となるはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考
生成AIやメタバース、新たなサイバー攻撃など、テクノロジーの進化が止まらない。少しずつ生活の中に浸透し、その恩恵を預かれることもある一方、思いもよらない問題を生み出すこともある。このコーナーでは、さまざまな分野の新興技術「エマージング・テクノロジー」について、小林啓倫氏が解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
総額2.3兆円、千葉市に巨大な「AIデータセンター」建設へ 発電大手JERA参画の“ドリームチーム”、勝機どうつかむ?
-
2
引退した人型ロボ、“溶けた鋼の海”に沈む アーノルド・シュワルツェネッガー氏が提案 米企業が動画公開
-
3
Apple、macOSの「フルディスクアクセス」に追加の制御を導入へ 「AIエージェントの進化でリスクが大幅に増大」
-
4
「FDE」は常駐SEのすげ替えなのか “人月商売の死”を打破したい国内SIer、打開策は意外なところに?
-
5
国産AI「LLM-jp-4」ベースのAIモデル、KDDI傘下のELYZAが無料公開
-
6
「DMに逃げる理由は秘密保持ではない」 人とAIエージェントの“最強チーム”を作るベストプラクティス
-
7
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
8
富士通が脱人月モデルへ CROが説く「AI時代のバリュープライシングへの転換」とは
-
9
Rails作者DHH「Pencils Down、もう手でコードは書かない」 それでもソフトウェア開発の未来は明るい理由
-
10
Meta、AIエージェント「Muse」とつながる自作ガジェット向けSDKをオープンソースで公開 「Raspberry Pi」などに対応
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR