AIが医療データを基に健康アドバイス――SMBC、富士通、ソフトバンク共同で「国産ヘルスケア基盤」開発へ

 三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)、富士通、ソフトバンクは、AIが医療機関の電子カルテなどの医療データと個人の健康データを掛け合わせ、個人に健康アドバイスを提供する「国産ヘルスケア基盤」を共同で開発する。国民の健康寿命延伸と医療提供の効率化を通じ、将来的な医療費の伸びを5兆円規模で抑制することを目指す。事業活動は2026年10月開始予定。

 同基盤は、医療機関が持つ電子カルテ情報などを管理・流通させる「データプラットフォーム」と、個人の健康データを蓄積・活用する「ユーザーアプリ」の2層で構成される。

取り組みの全体像(出典:プレスリリース)

 歩数や睡眠時間といったバイタルデータと、検診履歴や病歴、処方履歴などを組み合わせ、AIエージェントが「平均歩数が少なく血圧が高めだから、毎日15分歩くことを推奨」「睡眠が短く睡眠外来を受診しているから、寝る1時間前はスマートフォンを見ないよう推奨」といった生活習慣改善策を提示する。受診の予約や支払いもアプリ内で完結できるようにする。

 3社は、健康・医療データは機微性が高く、海外製の基盤を利用することへの懸念があると指摘。こうした懸念に対応するため、同基盤は国内データセンターに構築しデータ主権を確保すると説明している。

 富士通は電子カルテの提供実績を生かしたデータプラットフォームの構築と管理、ソフトバンクは「LINE」「Yahoo! JAPAN」などの利用者基盤を生かしたユーザーアプリの開発・提供を主導する。SMBCグループは「Olive」などの顧客接点を活用してサービスの普及を後押しするとともに、医療機関での後払いなど金融とヘルスケアを組み合わせたサービスの普及を担う。

3社の役割分担

 2026年10月の事業開始を目標に掲げ、中長期的には4000の医療機関と6000万人規模のユーザーが同基盤を利用することを目指す。記者会見でソフトバンクの宮川潤一社長は、同基盤による日本の医療費抑制について「3社だけで解決できる課題ではない」と述べ、他の電子カルテベンダー、クリニック、自治体、企業など、業種や競合関係を越えた参画を呼び掛ける考えを示した。

ソフトバンク 宮川潤一社長(左)、SMBCグループ 中島達社長(中央)、富士通 時田隆仁社長(右)
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この記事の著者

村田知己

村田知己

ITmedia AI+ 編集記者。市場調査会社でのエンジニア職を経て、2022年アイティメディア入社。キーマンズネット編集部、社内のデータ分析基盤構築担当、ITmedia エンタープライズ編集部を経て現職。

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