「AIによる権利侵害」に出版・アニメ制作会社など集う国内団体が声明 「看過できない問題」
出版社やアニメ制作会社などで構成される団体・コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は5月27日、生成AIによる著作権侵害に関する声明を出した。「現状の生成AIサービスにおいては、看過できない問題が確認されている」として、AIの開発やAIサービスを提供する事業者に対し、権利の保護などを求めている。
CODAが声明で求めたのは、以下の3点だ。
1)既存の著作物に酷似する生成物が出力されていないか、十分な調査を実施・継続し、既存の著作物と同一または酷似する画像・映像の生成を未然に防止すること。
2)1の調査、または権利者からの申し立てを踏まえ、酷似するものが出力されている状況であるなら、CODA会員社のコンテンツを無許諾で学習対象としないこと。
3)権利者からの要請、相談には誠実に対応すること。
CODAは、現状の生成AIサービスについて、特定の著作物を直接指定しない入力に対しても既存の著作物と同一または酷似する画像や映像を出力するなど、複数の問題があると指摘する。「このようなサービスを多大な影響力を持つ生成AI事業者が広く一般に提供していることが問題の本質」(CODA)とした。
AIの学習についても「日本の著作権法第30条の4を根拠に、一定の場合には『非享受目的の利用』として許容されるとの見解が存在することは承知している」とする一方、現状の多くのAIサービスにおいて「学習過程で行われる複製行為そのものが、著作権侵害に該当し得る」との見解を示した。
「現状では、学習対象が具体的な出力として再現され、既存の日本コンテンツそのもの、またはそれに酷似する画像/映像が生成されている。このような生成をもたらす学習は『享受目的の利用』に該当するものであり、学習には非享受目的の側面があるとしても、実質的に享受目的と併存している状態にあると考えられる。従って、現状の多くのサービス運用においては、学習過程で行われる複製行為そのものが、著作権侵害に該当し得る」(CODA)
米国著作権法の観点からも、多くのAIサービスの出力やAI学習について「著作物の公正な利用(フェアユース)には該当しない」と指摘する。また「著作物を利用する際には、事前の許諾を前提とすべき」として、「事前許諾を得ていない著作物については、出力段階でフィルターを設ける」などの対応をAIの開発やAIサービスを提供する事業者に求めた。
CODAは、AIを活用して制作したコンテンツにおいて、ユーザーが意図しない既存著作物との類似性が指摘・問題視される事態も生じているとして「生成AIの活用に伴うリスクとして認識されており、結果として生成AIの利用をためらわせる要因にもなっている」と述べる。「生成AIは、人間の創作を尊重し、支援するために用いられるべき技術」と、見解を強調した。
「既存の著作物を無断で利用し、その表現に酷似した画像/映像を生成することは、著作者の権利と創作の基盤を損なう重大な問題だ。既存の著作物に酷似した画像/映像が、権利者の許諾なく学習・生成・出力されている現状は、著作権侵害に該当する。CODAは、この認識が正しく共有されることを求め、ここに改めて表明する」(CODA)
CODAは、出版やアニメ、ゲームといった日本のコンテンツ産業に関し、著作権侵害を防ぐことを目的に活動する団体。講談社や集英社、日本放送協会、TBSテレビ、東映、東宝、スタジオジブリ、東映アニメーション、キングレコードなど、コンテンツ産業に関わる会員企業37社(1月5日時点)や、関連団体が参加する。
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