Microsoft、初の自社推論モデル「MAI-Thinking-1」発表 蒸留なしでゼロから学習
米Microsoftは6月2日(米国時間)、年次開発者会議「Build 2026」で、社内開発AI「Microsoft AI」 (=MAI)の複数の新たなモデル群を発表した。
中核となるのは、Microsoft AI Superintelligenceチームが手掛けた同社初の推論モデル「MAI-Thinking-1」だ。発表はMicrosoft AI部門のCEO、ムスタファ・スレイマン氏が行った。
MAI-Thinking-1は、アクティブパラメータ数350億の中規模クラスのテキスト基盤モデル。Microsoftによると、人間の独立評価者によるブラインドテストにおいて、米Anthropicの「Claude Sonnet 4.6」より全体的な品質で高い評価を得たという。難関のコーディングベンチマーク「SWE-bench Pro」では53%を達成し、「Claude Opus 4.6」と肩を並べる性能を示した。数学推論ベンチマーク「AIME 2025」では97%という結果も示している。
特徴として同社が強調するのは、他モデルからの蒸留(ディスティレーション)を一切行わず、商用ライセンス済みのクリーンなデータのみを用いて一から学習した「ゼロディスティレーション」のアプローチだ。これにより、企業が本番環境に投入できるエンタープライズグレードの信頼性を確保したという。実行面ではMicrosoft独自の第2世代AIアクセラレーター「Maia 200」上で最適化されており、米NVIDIAの「GB200」と比較して1ワット当たり1.4倍の電力効率を実現したとしている。
MAIモデルファミリーには、これまでに音声生成の「MAI-Voice-1」、汎用テキストモデル「MAI-1-preview」、書き起こしの「MAI-Transcribe-1」、画像生成の「MAI-Image-2」「MAI-Image-2.5」などが発表されてきた。Build 2026では、MAI-Thinking-1に加えて、画像生成「MAI-Image-2.5」とその軽量版「MAI-Image-2.5-Flash」、書き起こし「MAI-Transcribe-1.5」、音声生成「MAI-Voice-2」、GitHub CopilotとVisual Studio Codeに組み込まれるコーディング向け「MAI-Code-1」も披露された。
MAI-Thinking-1は現在、開発者向けプラットフォーム「Microsoft Foundry」のモデルカタログでプライベートプレビューとして提供されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
2
Google、「NotebookLM」を「Gemini Notebook」に改称 Geminiエコシステムへの統合を強化
-
3
コードなしでもベイズ統計ができる無料の神ツール「JASP」 ~ マウス操作だけでここまでできる
-
4
強気値上げで自爆か ClaudeやGeminiに押され「M365 Copilot」は一人負け?:888th Lap
-
5
「Claude」利用制限を全リセット CodexとChatGPT Workも “リセット合戦”再び
-
6
「AIと壁打ちはもう古い」 業務タスクを任せる「Claude Cowork」の落とし穴
-
7
トンカツ食べながら語った――NVIDIA、富士通、安川電機ら“フィジカルAI連合”誕生、発表直前の裏話
-
8
日本再起の旗印となるか、国産マルチモーダルAI基盤「FRONTia」が始動
-
9
フアンCEO「ジャパンAI構築はマストだ」 経産省、国産フィジカルAIで新プロジェクト 赤沢大臣も“革ジャン”羽織る
-
10
「AIエージェントの約半数が"戦力外"になる」 なぜ企業は使いこなせない?
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR