Microsoft、GitHub CopilotやExcelで自社AIに切り替えへ――OpenAIやAnthropicのモデルは「引き続き併用」

 米Microsoftは7月23日(現地時間)、GitHub CopilotとExcelで、自社開発AIモデル「MAI」シリーズの本番投入を進めていると発表した。これまで同社製品の中核で使ってきた米OpenAIや米Anthropicのモデルが担ってきたタスクの一部を、より小規模で低コストな自社モデルへ移行させる取り組みだ。

 GitHub Copilotでは、6月に投入した軽量のエージェント型コーディングモデル「MAI-Code-1-Flash」を既に数百万人の開発者が日常的に利用しているという。同社によると、VS Code上でのコード採用率は「GPT-5.4 Mini」や「Claude Haiku 4.5」より約10%高く、トークン消費量の中央値は約10%少ない。複数日にわたって使い続ける開発者の割合も、GPT-5.4 Mini比で6%、Claude Haiku 4.5比で11%高かったとしている。

 Excelでは、このMAI-Code-1-Flashのチェックポイントを起点に、表計算のツール操作や業務ワークフローを学習させる強化学習環境で追加学習したモデルを既に稼働させている。本番トラフィックのユーザーフィードバックでは、よく使われるタスクにおける品質は「GPT-5.6」と同等という。また、最新世代のアクセラレータを必要とせず、米NVIDIAのH100やA100世代のGPUでも提供できるため、Microsoftにとっての展開コストを大幅に下げられるとしている。

 同社はこの手法をCopilot Chat、Outlook、PowerPointなど、他のエージェント型製品にも順次拡大していく方針だ(具体的な時期は示していない)。サティア・ナデラCEOはLinkedInへの投稿で、GitHub Copilot、Excel、Outlookで有望な初期結果が出ており、Copilot ChatやPowerPointにも同じアプローチを広げ始めていると述べた。

 ただし、OpenAIやAnthropicのモデルが使われなくなるわけではない。ナデラ氏は、両社のフロンティアモデルは引き続きMAIと並んでオーケストレーションシステムの一部であり、フロンティアの能力が必要な用途にはフロンティアモデルを使い続けると説明。自社サービスでは、MAIがフロンティアモデルと同等以上の性能を示した場合にトラフィックをMAIへ振り向け始めているという。ユーザーがモデルを選択できるかどうかについては、今回の発表では言及していない。

 自社モデルを採用する理由としてナデラ氏が挙げるのは、コストと成果のバランスだ。同氏は、利用されるたびに実際のコストがかかるようになったソフトウェアの世界では、タスクごとに適切なモデルを使い分け、その周辺のコンテキストやツール、エージェントの実行環境ごと最適化することが鍵になると指摘。既に飽和したフロンティア能力は、利用頻度の高い製品向けに最適化したモデルで安価に大規模提供できるとした。Microsoftは、製品ごとの評価指標と「モデルからの独立性」を確保するため、記憶やコンテキスト、スキルをモデルの外部に置く設計を採っているという。

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