キリンホールディングスは10月16日、生成AIによって面接の質疑や候補者の評価を行うサービス「AI面接官」を試験導入すると発表した。2026年卒の新卒採用から導入し、エントリーシートの読み込みから1次面接までをAI面接官が担当する。書類選考のみで候補者を落とすことなく、多角的に評価できるようにするのが狙いだ。
導入するのは、AI面接官を提供するVARIETAS(東京都世田谷区)のサービス。同社によると、AI面接官は、経済産業省が2006年に提唱した「社会人基礎力」をもとにした30項目によって候補者を評価する。人間が1時間の面接で評価できるのは5〜6項目であり、その約6倍多角的に評価できるという。
同社は「生成AIがベースとなっているため、人の会話と変わらない形で面接が可能。さらに、これまでテスター受検による改善を続けており、受検者1000人の満足度が『95%』に達していることが特徴」と説明。また、採用を行う企業側の業務負担を減らせるなどのメリットもあるという。
AI面接官が候補者とやりとりするデモ動画では「学生時代に力を入れたこと」について質問。候補者が回答内で挙げた「難しかったポイント」に焦点を当て「その困難をどのように解決したのですか?」と深堀り質問をしている。候補者の回答に対し「それは効果的なアプローチだったと思います」などの相づちも交えつつ、面接を進めていく様子を確認できる。
なお採用プロセスについて、AI面接官の評価をもとに採用担当者が最終的に1次面接の通過者を確定。その後、2次選考以降の採用活動を行うとしている。
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