米Anthropicが6月9日(現地時間)にリリースした新たなAIモデル「Claude Fable 5」。すでにその“賢さ”は大いに話題だ。記者も早速触っているが、これまでのハイエンドモデル「Opus」に比べても体感的な賢さは歴然だ。
ところで、Fable 5が利用できるAIチャットサービス「Claude」には、デザイン制作が可能な「Claude Design」という機能がある。基本的にはWeb制作などに向けた機能だが、アニメーションを作れる機能もあり、120秒程度であれば映像を作ることも可能だ。
SNSも“動画隆盛”な昨今。AIを動画制作に活用する例も多いが、Fable 5だとどんなものができるだろうか。早速試してみた。
動画についてはくどくどいう前に、実際の成果物を見てもらうのが早いだろう。以下は、ITmedia NEWSで過去に掲載した記事「『うぎゃ〜! 情報漏えいですわ〜!』 ITお嬢様と学ぶ、フィッシング詐欺に遭遇したときの対処法」のテキスト部分を台本の参考としてFable 5に提供して作ってもらった動画だ。
なんとなく自治体が公開している動画のようなマジメさはあるが、ほぼAIに丸投げでこれができるのだから驚きだ。手順も簡単で、Fable 5に記事のURLを共有し、ざっくりとしたイメージを伝えた後、AI側からの質問に答えるだけだった。
記者は今回「YouTube用に、フィッシング詐欺の解説動画を作って。アップとかエフェクトを多用して離脱しにくいよう工夫して」と指示。するとアスペクト比や映像の長さ(15秒から120秒で調整可能)、映像のトーンやメインで使用したい色を聞かれるので、それぞれに答えると、15分から25分くらいでこの映像が完成した。手戻りもなしだ。
後述する理由でお見せした映像には使っていないが、背景や立ち絵の画像などを渡せばそれも使ってくれる。うまく使えば自治体っぽさも消せるかもしれない。
ただし音声はつかず、Claude Design側に映像の出力機能がないので、キャプチャーなどで対応する必要がある(プロンプトで指示すればmp4などで出力してくれるかもしれないが、これまた後述の理由で今回は実践できなかった)。この辺りは他のサービスやAIの力を借りた方が早いかもしれない。
「Sonnet 4.6」など下位モデルでもClaude Designは使えるので同様のことができるかついでに試したが、Fable 5より時間がかかる上、手戻りも発生する印象だった。
このように動画作りにも役立ちそうなFable 5だが、弱点もある。
端的に言えば、トークン消費が並みじゃない。記者が契約しているProモデルだと、120秒の動画を作ったら一撃で5時間おきのレートリミットに到達。90秒でも動画を作って、修正や調整の指示を1回できればいいほうだ。そのため立ち絵・背景の提供やmp4出力などトークンを食いそうな指示は、記者の環境では慎重にする必要があった。
少なくとも実用には「Max」以上の有料プランが必須そうだし、手段はどうあれトークンの節約も欠かせないだろう。とはいえ、このクオリティーがAIに丸投げで完成するのは可能性を感じざるを得ない。それこそ簡素な教則動画、あるいは注意喚起などを目的とした動画などであれば、もはやFable 5+Claude Designで十分かもしれない。
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