中国の通信機器最大手HuaweiがAI向けのGPU「910C」の量産出荷を5月にも始める予定だと、事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。中国顧客向けで、一部は出荷済みという。
トランプ米政権は今月、米半導体大手NVIDIAに対し、中国向けのAI半導体「H20」に輸出許可が必要だと通知した。中国のAI企業が代替品を調達する必要に迫られる中、絶好のタイミングでの投入となりそうだ。関係者によると、910Cは、従来品である「910B」と比べて計算能力とメモリ容量を2倍に高め、中国での販売が禁止されたNVIDIAの「H100」と同等の性能を有しているという。
米政府は先端半導体の中国への供給を遮断しようと、輸出規制を強化してきた。その結果、ファーウェイや中国の新興企業が、これまでNVIDIAが押さえていた市場への参入が可能になった。
関係筋は2024年末、Huaweiは910Cのサンプルを複数のハイテク企業に提供し、受注を開始したと述べていた。ロイターは910Cの主な製造企業について確認できていない。
関係筋によると、910Cの一部には、半導体受託生産世界最大手のTSMCが中国拠点の企業向けに製造した半導体が使われているという。
米商務省は現在、TSMCの半導体が910Bに使用されていることが発覚したことを受け、調査している。

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