バンダイとBANDAI SPIRITSは9月16日、生成AIでフィギュア風に加工した画像の一部に同社のロゴが表示されているとして、「画像は弊社商品ではない」と注意を呼び掛けた。「画像によっては、SNS等への投稿が著作権侵害等の違法性が疑われる場合もある」としている。
AIによる画像のフィギュア風の加工は、「ChatGPT」の画像生成機能でジブリ風の画像を作成するのが流行した4月頃に、海外を中心にSNSで一時流行した。その後、8月末頃から、米Googleの画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:nano-banana)の発表もきっかけとなり、XやInstagramなどで再度注目を集めている。
一方、X上では、SNSに投稿されたフィギュア風に加工した画像の一部に、バンダイのロゴに類似した模様が確認できることを問題視する声も上がっていた。例えば、Googleの生成AI「Gemini」アプリの公式Xが2日、フィギュア風加工の作例を投稿。その一部にバンダイのロゴに類似した模様が表示されているとして「商標権の侵害に当たるのではないか」との懸念を示すユーザーも見られた。
バンダイとBANDAI SPIRITSは「現在、SNS等において、生成AIを用いて2社のコーポレートシンボルやブランドロゴなどの登録商標が記載されたフィギュア等の画像を生成し、投稿されている事例を確認している」と説明。正規商品は、両社の公式サイトを確認するよう呼び掛けた。
また、フィギュア風に加工した画像のSNSへの投稿に対しても、著作権侵害などの可能性もあるとして注意喚起した。「生成画像について弊社商品と誤解を与えるような投稿は控えてほしい」としている。
なお、バンダイとBANDAI SPIRITSは、Geminiアプリの公式Xの投稿画像については言及していない。
経済産業省は、コンテンツ産業で生成AIを利用する際の注意点などをまとめた「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(2024年7月公開)の中で、「AI生成物(やそれを編集・加工して制作したもの)としてのデザインやロゴが、登録意匠・登録商標と同一・類似の場合、その利用は、意匠権・商標権の侵害となる可能性がある」との見解を示している。また「AI生成物(やそれを編集・加工して制作したもの)に他人の商品等表示や他人の商品形態が含まれる場合、その利用は、不正競争行為にあたる可能性がある」としている。
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