マンボウの“頭”をアシカがガブリ――AIフェイクとみられる画像が拡散、指摘相次ぐ
マンボウの頭部をアシカがかみちぎる――こんな画像がXで波紋を広げている。X上で拡散している一方、一部のユーザーから生成AIでの加工を疑う声が相次いでいる。
マンボウの頭部をアシカがかみちぎる――こんな画像がXで波紋を広げている。ある海外のXユーザーが「アシカが無防備なマンボウの頭をかみちぎる」として、この画像を6月10日に投稿。16日時点で5000リポスト超えと拡散している。一方で、Xユーザーからは、生成AIを使ったフェイクとの指摘が続出。ある写真家が撮影した、アシカがマンボウの腹部をかみちぎった様子を加工したものとの声が上がっている。該当の投稿には、AI生成画像を指摘するコミュニティーノートも付いている。
問題の画像の“元ネタ”は、英紙「Daily Mail」のWeb版に、2015年に掲載された記事の写真とみられる。同記事では、アシカがマンボウを捕食する様子を撮った写真を紹介。動物写真家のリチャード・ハーマンさんが、米カリフォルニア州サンディエゴで撮影したものという。
写真には、上部にかじられた跡があるマンボウと、その跡を見るアシカが映っている。マンボウの目の位置が下方に寄っていることや、ひれの形状などから、マンボウの頭部は写真の下側にあることが伺える。記事には、この捕食の様子を捉えた別の写真も掲載されており、マンボウの腹部らしき位置をアシカがかじっている姿が確認できる。
一方、AIフェイクとみられる画像では、マンボウの目の位置がやや上方になり、ひれの形状も変化している。マンボウの口のようなものも付け足されており、マンボウの頭部にアシカがかみついているように見える。また“元ネタ”とみられる写真では、マンボウの肉片らしきものが海中に漂っているが、それも消えている。
このフェイクの疑いがある画像だが、拡散したXの投稿が初出ではなく、あるFacebookユーザーが5月30日に投稿した画像の転載である可能性が高い。画像を動画化した投稿も確認されており、YouTubeにはAIで生成したと思われる捕食シーンの動画がアップされている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「中国の船が海に汚水投棄」――AIフェイクとみられる動画がXで拡散中
「中国のクルーズ船が大量の汚水を海に投棄している」――そんな動画がXで拡散されているが、動画生成AIによるフェイク動画とみられる。
AIキャラチャットアプリ、「鬼滅の刃」「ヒロアカ」のキャラを“無断で広告利用”か Xで物議に
マンガ「鬼滅の刃」や「僕のヒーローアカデミア」のキャラクターを、AIキャラチャットアプリが無断で広告に利用しているのではないか――こんなXのポストが物議を醸している。
“ほぼワンピース”なゲームがマイニンテンドーストアに登場 Xで注目 理由は?
X上で、ゲーム「パイレーツアニメクエスト」が注目を集めている。なぜか。
“ワンピースっぽい”と注目のゲーム、任天堂のオンラインストアから消える
マンガ「ワンピース」に似ていると注目を集めていたゲーム「パイレーツアニメクエスト」。5月28日午後8時時点で、任天堂の公式オンラインストア「マイニンテンドーストア」上の商品ページが閲覧できない状態だ。
「こんばんは」にも“非難殺到”――Xで話題の「炎上シミュレーター」 開発した理由は?
Xで話題の「炎上シミュレーター」について、開発者に制作理由などを聞いた。




