MicrosoftがSunを買収すべきではない5つの理由
米IBMによるSun Microsystemsの買収交渉が決裂したとの報道を受け、一部からは、MicrosoftがSun買収に乗り出すべきだとの声も挙がっている。だがその考えは間違っている。
SunはMicrosoftにとってトラブル以外の何物にもならないだろう。わたしには、Sun買収に名乗りを上げる可能性を真剣に検討しているMicrosoft幹部がいるとすら思えない。そのような買収交渉に成功の見込みはないと考える理由は以下のとおりだ。
1. Sunの創業者で現会長であるスコット・マクニーリー氏は、決してMicrosoftに身売りなどしないだろう。たとえ、どんな価格を提示されようともだ。Microsoftに対する同氏の敵意は半端ではない。MicrosoftにJavaを与える? マクニーリー氏はMicrosoftをJavaに近付けさせまいと戦った男だ。Microsoftのこととなると、同氏はただの気難し屋だ。自分の宝物をビル・ゲイツ氏の会社に譲るようなことは決してしないだろう。
2. SunがMicrosoftに買収されるとなったら、Sunの支持者はそれを裏切りと感じるだろう。従って、Sunのジョナサン・シュワルツCEOも――もし見かけどおりに賢い人物であるのなら――Microsoftによる買収には反対するだろう。Microsoftと合併するようなことになれば、Sunのコア開発者は身を切られるような思いだろう。5年前、あるいは10年前とは状況が異なる。オープンソースのコミュニティーは一斉に心臓まひを起こし、Sunは開発者基盤の大半を失うことになりかねない。
3. Sunのサーバ技術はMicrosoftにとってかなり厄介な存在となるだろう。Microsoftにはサーバハードウェア事業に参入する必要はなく、そんなことをすれば、販売経路をめぐりパートナー各社との間で不要な摩擦を生むだけだろう。Windows Serverは十分なスケーラビリティを備えているため、MicrosoftはSolarisも必要とはしていない。
4. MicrosoftがSunを買収するとなれば、独禁法関係の問題も幾つか生じるだろう。Microsoftは欧州連合(EU)から独禁法違反の判決を受け、これまで3度にわたり罰金の支払いを命じられているが、そもそも同社に対する独禁法違反調査が行なわれたのは、1990年代遅くにSunがEUに不服を申し立てたのがきっかけだった。MicrosoftがSunを買収することになれば、「競合相手が1社排除される」と見なされ、競合製品との相互互換性も含め、Microsoftはあらためて詳細に調査されることになるだろう。StarOfficeとOpenOfficeはMicrosoft Officeと競合しており、SolarisはWindows Serverと競合している。Microsoftは自社のプロダクティビティ製品やサーバ製品が独禁法違反調査の対象となるような可能性は避けたいはずだ。それに、たとえ独禁法当局が買収を認めたとしても、マイナスの評判は大きなダメージにつながりかねない。
5. OpenOfficeはメリットよりも問題の方が多い。OpenOfficeは、オープンソースの支持者らとMicrosoftの独占的なソフトウェアとの宗教戦争のようなものだからだ。オープンソースの支持者らが「OpenOffice支持、Microsoft反対」の立場で結集すれば、マイナスイメージが広まるだけだ。もちろん、MicrosoftはOpenOfficeを無料で公開するだろうが、そうだとしても、Sunが提供していたサポートプログラムまで買収されることに変わりはない。IBMが関与してくる可能性もあるが、それはMicrosoftがぜひとも促進したい類の提携ではない。Microsoftにとっては、OpenOfficeに対するIBMの既存のサポートだけでも既に十分に厄介な存在だ。なぜそれをさらに悪化させる必要があるだろう?
以上が、わたしが「MicrosoftはSunを買収すべきではない」と考える理由の厳選リストだ。販売経路の重複など、ほかにも理由はあるが、以上の5点だけでも毒性は十分だ。MicrosoftはSunを必要としていない。問題が多過ぎる。それに、IBMがSunを買収する可能性もまだ十分に残っている。
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