Windows 98時代のPCの多くはUSB1.1を採用している。せっかくUSB2.0の周辺機器を追加しても、USB1.1のままだと宝の持ち腐れになってしまう。そんな時、ちょっとした追加投資で転送速度を高速化するウラ技があるのだ。
「職場に新しくUSB2.0対応の外付HDDを導入した。しかしいざ使ってみると、読み書きがやたら遅い。よくよく調べてみると、PC側のUSBホストが1.1だった」――。Window 98時代のPCを業務端末として利用している職場では、よくある話だ。自宅のPCなら「この機会に買い換えちゃえ」という話になるかもしれないが、職場のPCではそうもいかない。
こんな場合、ちょっとした追加投資で、USB1.1の速度の上限を超えてデータの読み書きをする方法がある。USB-LANコンバータを利用するのだ。
方法は至ってシンプル。USB2.0の機器をUSB-LANコンバータに接続したのち、職場のLANに接続し、ネットワーク経由でデータを読み書きするというもの。要するに、最大12Mbps(理論値)のUSB1.1ポートは利用せず、100Mbpsの100BASE-TX LANを使って読み書きしてしまうわけだ。理論値480MbpsのUSB2.0には及ばないが、USB1.1のまま利用するのに比べれば、ケタ違いのパフォーマンスを得られる。
筆者の環境でざっと測定してみたところ、USB1.1直結だと転送に45分かかるデータが、USB-LANコンバータ経由だと6分で転送できた。ちなみにUSB2.0直結では4分。データサイズやネットワーク環境、およびUSB-LANコンバータの機種によって違いはあるだろうが、USB2.0に近い速度で読み書きができることが分かる。
PC本体へのUSB2.0インタフェースカード増設という正攻法でも高速化は可能だが、業務用PCにハードウェア的に手を加えるのはシステム管理者にいい顔をされない場合も多いし、稟議が必要になる場合もある。また、PC本体の処理速度がボトルネックになり、結局思うほどスピードが出ない場合もある。
それに比べ、USB-LANコンバータを用いる方法なら、LAN上のすべてのPCから読み書きができるため、職場のUSB1.1PCすべてが高速化の恩恵を受けられる。また、USB-LANコンバータの多くは複数台のUSBハードディスクやUSBメモリを接続できるほか、プリントサーバとして使える機種もあるなど、メリットは多い。
Windows 98時代のUSB1.1搭載PCの多くは、10BASE-Tではなく100BASE-TXのLANインタフェースを搭載しているため、このようなウラ技が可能になる。PC本体のハードウェアに手を加えず、通信速度をアップするという意味でおすすめのTIPSだ。
項目 | 内容 |
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商品名 | USL-5P |
提供元 | アイ・オー・データ機器 |
価格 | 15800円 |
項目 | 内容 |
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商品名 | LAN-HDPS/U2 |
提供元 | ロジテック |
価格 | 10800円 |
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