9月1日、銀座にオープンする「マロニエゲート」。5階から9階までは「東急ハンズ銀座店」が占める。文房具の品揃えなどに定評のあるハンズだが、銀座エリアにはライバルも多い。銀座店が打ち出した戦略とは──。
9月1日、銀座マロニエ通りの入り口にオープンする商業ビル「マロニエゲート」は、プランタン銀座の隣にできる銀座の新しいランドマークだ。
地下1階から地上12階まで全13フロアに33店舗が入居。地下1階から地上4階まではファッション、雑貨店で、レディス・メンズのアイテムを混在させた。「レディスが多い銀座としては目新しい構成」でカップルでショッピングを楽しめるという。
そんなファッション・雑貨フロアと、10階から12階までのレストランフロアの中間である、5階から9階までのフロアを占めるのが「東急ハンズ銀座店」なのだ。
銀座エリアは伊東屋をはじめ、日本橋の丸善など文房具を扱う老舗が少なくない。「銀座でも他社は茶色ベースの店内で落ち着いた雰囲気だが、東急ハンズではあえて白を基調に明るい雰囲気に仕上げた」というのは、東急ハンズ銀座店6階の文房具フロアを担当する岡島隆二郎主任だ。
文具フロアでは、男性ビジネスマンよりもOLなど女性客の取り込みに注力するという。化粧品やトイレタリーを販売する5階の上に文房具フロアをレイアウトしたのも女性客を意識してのことだ。
その代わり7階にはDIYのフロアを配置した。銀座でDIY?──「社内でも反対意見がなかったわけではない」(岡島氏)というが、東急ハンズでは銀座だからこそDIYの需要があるとみた。岡島氏も「ハンズの“売り”ですから」と笑みを浮かべる。
8階にはキッチン用品やパーティグッズ、9階にはビジネスバッグ、トラベルグッズ、自転車などを配置。こちらは性別に関わりなく楽しめる内容だ。
店内の雰囲気は東急ハンズの他店舗とも若干異なる。文房具フロアの6階では、陳列のポップを極力減らした。従来の店舗では、ポップなどのナビゲーションによって顧客が自分自身で目的の場所に到着できる自己解決型の動線を構築していた。
一方、銀座店ではポップを極力減らすと同時にスタッフが顧客を積極的に案内するという。いわばコンシェルジュ型の店舗運営といえそうだ。
店舗面積は3918平方メートル。新宿店(9958平方メートル)や渋谷店(6890平方メートル)と比較すると必ずしも大きな店舗ではないことが分かる。その中で東急ハンズ銀座店が打ち出した銀座ならではの品揃えや、女性客とDIY重視の戦略に今後も注目したい。
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