平等に評価されるからこそ──誰もが挑戦できる「コピー2.0」・赤星琢哉さんひとりで作るネットサービス(3/3 ページ)

» 2008年03月03日 21時00分 公開
[田口元,ITmedia]
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「コピー2.0」から生まれた「恋愛575」

 コピー2.0を盛り上げるためのお題には気を使う、という赤星さん。「ユーザーの皆さんにまじめに取り組んでもらえることが分かっているので、いい加減な気持ちでお題を出せないですよね」。お題によっては盛り上がりすぎてパート1からパート2、パート3へと続くものもあるという。そうした盛り上がったお題から生まれたのが「恋愛575」だ。

 「『もう寝る』と メールしたのに返事待ち」「両想い それでも時々片想い」「“ヒロイン”が 隣に座る映画館」──恋愛575で人気だった投稿の一部である。「コピー2.0であまりに盛り上がったので別サービスにしてみよう、と思い立ちました。恋愛のあれこれを575にして投稿するだけなのですが、やっぱり恋愛はとっつきやすいというか、たくさん投稿が集まりますね」。このサイト立ち上げの経緯を、赤星さんはそう教えてくれた。

遊び心のあるライフハックを提案する「今日すべきこと!」

 2007年2月には「今日すべきこと!」を開設した。その日自分が何をすべきかを教えてくれる、というツールである。名前を入れてボタンを押すだけで「初心にかえる」「次の給料日まで、あといくら使えるのか確かめる」といった、ちょっとドキッとするような“指示”が出てくる。実はこれらの“指示”はすべてコピー2.0で盛り上がったお題の投稿から引っ張ってきている。

 「『グーグル新機能』というお題で「グーグル今すべきこと検索」という投稿があったんです。それを見て『実際にあったら面白そうだね』と、盛り上がり、新たにサイトを作ることにしたんです。それから『今日すべきこと』というお題で募集をしたんですが、1500ほどの投稿が集まりました。それを使わせていただいています」

 コピー2.0で集まった質の高いお題や投稿をもとに新しいサービスを作り上げる──それが赤星さんのスタイルのようだ。「『コピー2.0』がなかったら僕、どうなっているのでしょうかね?」。赤星さんは冗談まじりに笑った。

魅力は平等に評価され、誰もが挑戦できるところ

 開発は基本的に自宅のWindowsマシン、マウスコンピューターの「Lm-i411S-PL9T9」で行う。外で作業をするのもいいかな、と「MacBook」を購入はしたが、あまり使っていないという赤星さん。モノは極力持たない。よく使っているのはGo Live!、Photoshopといったアドビ製品のほか、GmailなどのWebアプリ。あとはノートと鉛筆を持ち歩き、アイデアが思いついたらすぐに書き留めるようにしている。

 「平等に評価され誰もが挑戦できる点が大切で、おもしろいと思っているんです。インターネットはそういった環境を作り出すこともできる世界ですから、楽しいですよね」。コピー2.0で工夫しているのは、コピーの優劣を決める「ナイス」ボタンを押せる画面で投稿者の名前を出さないこと。名前を出さずにコピーだけで先入観なく平等に評価してもらえるように、と考えている。「作って、見せて、ダメだったらダメと言ってもらう」。そうした活動を続けていきたい、と赤星さんは自身の決意を言葉にした。

こちらが持ち歩いているノート。取材中もメモをしていた
インタビュー中、終始笑顔だった赤星さん

あまり使っていないという「MacBook」
自宅で愛用中のマウスコンピューターの「Lm-i411S-PL9T9」

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