インタビュー
» 2008年05月16日 15時00分 公開

ひとりで作るネットサービス:誰もが簡単に作れるアプリを目指したい――サーバなしで使える「Afrous」冨田慎一さん (3/3)

[田口元,ITmedia]
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マッシュアップの最先端、米国で多くを学ぶ――見えてきた今後の課題

 2008年2月、冨田さんは成田にいた。シリコンバレーに向かうためだ。目的はGoogleやセレナソフトウェアが協賛するマッシュアップのイベント、「MashupCamp」への参加だった。ITの本場、米国でマッシュアップ技術がどこまで進んでいるか、そして自分が作り上げたAfrousがどのように受け止められるかを確かめるためだった。

 特に英語がしゃべれるわけではなかった。それでもイベントでは、Afrousのデモを携え、「Speed Geeking」コンテストに臨んだ。Speed Geekingとは、男女が入れ替わりながら数分間おしゃべりをして好みの相手を見つけるSpeed Datingに端を発したものだ。自分の技術をアピールしたいGeek(ギーク)が、次々と巡ってくる興味のありそうなエンジニアに3分間のショートプレゼンを繰り返し行う。

 「3分間たつと笛が鳴るんですよ。そこで次の人が来て、また最初からプレゼンです。何度も何度も自分のサービスを説明しているうちに、自分から工夫せざるを得なくなるんです。日本でやったことはなかったですが、あの方法はプレゼンの力がつくな、と痛感しました」。最初は自分のバックグラウンドから説明していたという冨田さん。しかし、それではすぐに時間切れになる。そこで途中から、まずはインパクトのあるデモを持ってくるようにした。相手がそれで興味を持ったら、「実はこの技術は……」と切り込んでいく戦法に切り替えた。

 マッシュアップキャンプは4日間のイベントだった。他の人のプレゼンに耳を傾け、最新の技術について議論し、業界の雰囲気を肌で感じ、自分が作ったサービスを客観的に見つめ直すことができた。「すごく勉強になりました。Afrousに足りないところもだいぶ見えてきました」

 シリコンバレーに滞在した2カ月間に、冨田さんが実現したい世界に近いサービスを展開している企業も見学することができた。その企業とはCogHead.com。「アプリケーションのロングテール」を実現するためのサービスを提供している。中小企業がちょっとした業務の効率化をするために、手軽に作れるアプリケーションエディターを提供する、というサービスだ。これは冨田さんが考えている「User Generated Programs」に極めて近い。

 「CogHeadのホームページを見るとイケイケ感があったので楽しみにしていたのですが、実際のオフィスはすごく……地味でした。マーケティングにはお金を使っていますが、それ以外では切り詰められるところはすべて切り詰めていました。電気もなるべく消す、といった具合で、『企業を経営していくのはやっぱりシビアだな』と強く感じました」

 米国から3月に帰国した冨田さん。持ち帰った課題をこなしつつ、「誰もが簡単にアプリケーションを作ることができて、日々の仕事をぐっと効率化できる世界」を目指しながら奮闘する毎日だ。


冨田さんがいつも持ち歩いているもの。上段がMacBook Pro(左)とiPod touch(右)、下段が「au winW41H」(左)とマッシュマトリックス設立祝いに友人からもらったというUSBメモリ付きペン(スペースインターナショナルの「PenDriveKnight2.0」)(右)

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