シルバーに光る紙、コピーを不可能に――機密文書の情報漏えい対策ISOT 2008

「第3回オフィスセキュリティEXPO」で筆者の足を止めたのは、シルバーに光る1枚の紙。カルバスの「コピー防止用紙」である。銀色がコピーを不可能にするという。

» 2008年07月09日 17時06分 公開
[豊島美幸,ITmedia]

 「3回オフィスセキュリティEXPO」で筆者が思わず立ち止まったのは、その紙が銀色の光を放っていたからだ。「カルバス(KALBAS)が開発した「コピー防止用紙」である。説明員によると、紙の銀色が、印字された文字を「コピーできない」ようにする最大の工夫だという。

コピー機の読み取り機能を活用して、紙を銀色に


 仕組みはこうだ。コピー機が情報を読み取るとき、読み取りたい紙に光を照射し、その明るさによって濃淡を判別して複製する。この性質を利用すると、「コピー防止用紙」をコピー機にかけたとき、コピー機が銀色を黒色として読み取るのだ。

 もし黒文字で書かれた文書を複製しようとしても、コピー機が文字も紙もまるごと黒く読み取るため、出てきた紙も当然、黒。元の紙に書かれた文字列は読み取れないというわけだ。このため、「コピー防止用紙」のセキュリティ機能はモノクロ印刷したものに限られる。

 紙は、普通紙にアルミ蒸着して銀色に加工してある。だがこれだけでは、もともと銀色紙に印刷した文書が光りすぎて読みづらい。また指紋が付きやすい欠点がある。

地紋に社名を入れることも可能

 読みやすく指紋も付きづらくするため、アルミ蒸着紙にさらに白系のインクで地紋印刷を施したという。地紋部はコピー機が白色と判別するため、この銀紙をコピー機にかけると、全体的に濃いグレーといった色合いになる。

 カルバスでは「コピー防止用紙」を直接販売している。価格は、受注枚数により1枚約100円〜200円。地紋は社名などにすることも可能だ。1枚1円を切る紙単価と比べると割高感は否めないが、説明員によると「公官庁などで重要文書に使われている」という。

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