Google Docsで快適遠隔会議なのだシゴトハッカーズ(2/2 ページ)

» 2008年08月07日 21時53分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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「注意を集める」のに適したツール

 現実の会議室などにおいて、ホワイトボードの前に立っている人が、いろいろ書いていれば、そこへ黙っていても視線が集まります。少なくとも、その場で何に注意を向けるべきかは、自然と分かることです。

 しかし、オンラインでのミーティングでは、この「注意を向けてもらう」ということ自体が、実はけっこう難しいのです。現実に同じ場所に身を置いているわけではないため、今何に注意するべきかが、自明ではないのです。

 Skypeでの通話に加えてチャット、という形態が無駄なようで無駄でないのは、ここに理由があります。Skypeだけで話をしつつ、テキストエディタなどにそれぞれが議事録を取っていればいいようですが、そうするとお互い話をしているだけで、目ではインターネットブラウザなどを追っているなどして、注意が著しく分散してしまうのです。

 人は耳から入ってくる刺激よりも、目から入ってくる刺激の方へ、一般的には注意を向けるものだからです。

 ですからSkypeとともに、オンラインチャットを併用することで、注意をある程度チャットに集中させます。仮にインターネットなどで情報収集していても、相手がチャットに何かを書き込めば、ウィンドウが開いたり、音声が鳴ったりしますから、そちらへ注意が向かいます(逆に、仕事中オンラインチャットをすると集中できなくなるわけです)。

 ただし、チャットだけで議事録を取っていると、大量の情報を扱いたい場合や、前で話題にしたことに戻りたい場合などに、どんどん下へ「会話」が流れていって不便です。そのときには、Google Docsのスプレッドシートを、共有のホワイトボード代わりとするといいでしょう。

 Google Docsのスプレッドシートのいいところはなんと言ってもその「リアルタイム性」にあります。利用者のカーソル位置までがリアルタイムに反映されるので、相手は今どこを見ていて、何をしようとしているかが目に見えて分かるわけです。

 この、画面の向こう側では何が行われているかを認識することは、空間を共有していないオンライン・ミーティングにおいて、とりわけ大事なことです。それを言葉で説明し合うのは実に煩わしいですし、それが全然分からないと、何に注意していればいいかが全く見えなくなります。

 話ができて、文書のやりとりができて、何に注意を向けていればいいかが分かる。一応それだけのものがそろえば、同じ場所に身を置いていなくてもミーティングは成立するものです。

 →Google Docsスプレッドシートの実践活用チュートリアルはこちら

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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