プリンタ選びで避けて通れないのが予算。その立て方は2つある。さらに気を付けるべきポイントとは?
ビジネスプリンタ選びには8つのポイントがある。1つ目の「インクジェット式とレーザー式の違いや特性」を理解したプリンちゃんとターくんは、第2ポイントの「予算の絞り込み」へとコマを進めることにした。
素材メーカーのアラレでは、「チームで使うプリンタを購入せよ」という指令のもと、プリンタ初心者の社員、プリンちゃんとターくんが、それぞれ所属チームのプリンタ選びに挑むことになった。2人に懇願され、プリンタ博士ことドクトルPは、プリンタ選びの8つのポイントを説いていく。
ドクトルP さて2人とも、予算はどうやって立てていけばいいと思う?
ターくん ドクトルP、そりゃもちろん必要な機能をまず絞り込んで、それに見合う価格帯の中で絞り込む方法ですよ。
プリンちゃん ちがっ、何言ってるの? 先立つものはおカネよ。機能の絞り込みもなにも、最初から予算を決めておくに決まってるでしょ?
ターくん ええ!? そんなことないよ。予算内に必要な機能がないと困るだろ? それにせっかく買うんだから、発色がキレイで高速印刷できて、インクや紙の補充をあまりしなくてよくて、パンチとかの便利な機能もアレコレぜ〜んぶ付いてて……。
プリンちゃん もう……なんて“お花畑”。現実を直視しましょうよ。いくらでも予算があるとでも思ってるの?
ターくん そ、それは……。
ドクトルP こらこらケンカしなさんな。実はね、2人とも間違ってないんだよ。
プリンちゃん&ターくん えっ?
ドクトルP 先に決めるのも、機能から決めるのもどっちもアリってこと。
プリンちゃん でもドクトルP、もしターくんみたいに欲張りに機能を付けた場合、いくらくらいするんですか?
ドクトルP お、いい質問だね。その場合は大体150万円くらいからかな。
プリンちゃん&ターくん ひゃ、ひゃ、ひゃくごじゅうまんえん〜!?
ドクトルP (笑)。どうやら現実が見えてきたようだね。じゃあ今から現実的な予算の絞り方を順番に説明していくから、2人とも仲良く聞くんだよ。
プリンちゃん&ターくん あ、はいっ! よろしくお願いします。
まず「予算ありき」のケースを見てみよう。
一般的には「最初に予算を決めてから、その範囲内で最適な製品を選ぶ方法」を採ることが多い。今回のように新設部署や単一部署の場合、予算があらかじめ決まっていて、金額もそれほど高くは出せないことも多い。
さらに予算は、満額消化せず、なるべく安価に抑えることを望まれるものだ。こうした場合は、決められた予算内に収まる製品をピックアップし、それらの製品から最適なプリンタを選択するしかない。
「機能から予算を青天井ではじき出し、必要に応じて予算調整する」ケースもある。
この予算の立て方は、製品をピックアップする段階では、まだ予算が決まっていない(決められない)状況を想定したものだ。
具体的には、まず必要な機能や優先すべき機能をピックアップする。次にそれらの機能をサポートする製品を選び出す。予算制限がないから、数万円から数百万円まで、幅広い価格帯の製品をピックアップできる。そして稟議(りんぎ)にかける。
ここで道は2つに分かれる。稟議が下りさえすればそのまま導入できる。下りなければ、下りるまで予算を落としていって調整を行う必要が出てくる。実際には、稟議が下りなかった時点で、上層部から導入可能な上限の金額が提示される場合も多いので、この時点で「あらかじめ予算が決まっている」パターンと同じになる。後は予算内で製品を選択し直せばいわけだ。
このように予算の立て方は2つある。どちらの方法で予算を立てるのかは上司に確認したり会議にかけたりした上で、チーム全員で具体額まで決めておこう。そうでないと、後になって選び直さなくてはいけなくなり、負荷が大きくなるだけだ。
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