ここで注意したいのは、「全機能が必要」という回答が大多数を占めること。その場合、予算オーバーしてしまう可能性がある。これを防ぐには「チェックするのは最大10項目まで」など項目数を限定するか、再度上層部に予算交渉するかになる。予算の練り直しは難しいことが多く、項目数を限定する方がスムーズにいくだろう。
プリンちゃんとターくんが、それぞれ所属する販促チーム、特許取得チームに、「チェックするのは10項目まで」と限定してアンケートを行った結果は表の通りだ。
機能名 | 販促チーム | 特許取得チーム (カッコ内は2回目) |
---|---|---|
1.カラー印刷 | 10 | 3(7) |
2.A3サイズ対応 | 10 | 10(7) |
3.自動両面印刷機能 | 10 | 10(7) |
4.社内LAN対応(有線/無線) | 10 | 10(8) |
5.増設用の給紙カセット | 3 | 8(1) |
6.印刷停止用のキャンセル機能 | 7 | 6(3) |
7.拡大/縮小 | 4 | 7(3) |
8.ソート | 5 | 9(9) |
9.割付印刷(ポスター印刷) | 7 | 1(0) |
10.ウォーターマーク(スタンプマーク) | 3 | 9(10) |
11.非常時のモノクロ印刷 | 2 | 3(0) |
12.セキュリティ | 3 | 10(10) |
13.スキャナの搭載 | 7 | 2(10) |
14.FAXの送受信 | 2 | 5(10) |
15.ステープラー&パンチ(フィニッシャー) | 8 | 10(8) |
16.ADF(Auto Document Feeder) | 6 | 5(7) |
まずプリンちゃんの所属する販促チームは――。
メンバー全員が「カラー」「A3サイズ」「自動両面印刷」「ネットワーク」の4項目を必要と回答し、それ以外の機能は意見が割れている。こうした場合、割れた意見をすぐまとめるのは難しいので、ひとまず全員が一致した4項目に合致する製品をピックアップするといい。
また最終的に15万円以内という指示があったのだから、15万円以内で上記の4項目に合う製品を選択することにすればいいわけだ。
一方、ターくんの所属する特許許可チームは――。
ほぼ全員が必要としたのは、「A3サイズ」「自動両面印刷」「社内LAN」「増設用カセット」「ソート」「ウォーターマーク」「セキュリティ」「ステープラー&パンチ(フィニッシャー)」。この8つの条件で「A3モノクロレーザー」を選択することに落ち着いた。
それぞれ上層部に中間報告を行ったところ、ターくんに「ちょうどFAXの代替期だから、FAX付き複合機を導入せよ」と新たな指示が下ったため、FAX付き複合機という前提で、再度アンケートを取り直すことに。
その結果「カラー」「A4サイズ」「自動両面印刷」「社内LAN」「スキャナ」「FAX」「ADF」「ソート」「ウォーターマーク」「セキュリティ」「ステープラー&パンチ(フィニッシャー)」という11項目が多数を占めた。これに合致する製品をピックアップすればいい。
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