「速さ」の決め手は、FPOまでにかかる時間と印刷速度だ。印刷速度、FPOまでの時間が各々異なるプリンタでは、ある時点までは片方のプリンタの方がトータルの印刷時間が短く、その地点を越えるともう片方のプリンタの方が印刷時間が短くなる――という分岐点が存在する。
ppmとFPOが各々異なるレーザープリンタでは25枚、50枚の印刷を行った場合、出力時間はどう変わるのかを計算してみよう。
25枚印刷した場合、毎分24枚のプリンタは90秒、毎分21枚のプリンタでは81.1秒かかる。
つまり25枚印刷するには毎分24枚のプリンタより毎分21枚のプリンタの方が、8.9秒短く印刷できることになるのだ。
25枚程度までの印刷の多い部署なら、ウォームアップなしに毎分21枚のプリンタを選択した方が8.9秒短縮できるため、業務効率が高いことになる。
ウォームアップ処理を含めFPOまでに30秒かかるから、25枚印刷するには(最初の1枚を出力するまでにかかる時間)+(残り24枚を出力するのにかかる時間)=30(秒)+60(秒)=90秒かかる。
毎分24枚に比べ印刷速度は劣るものの、FPOまでは12.5秒だからFPO後の1分で21枚印刷する。
ここまでで22枚印刷するので、あと3枚印刷すればいい。3枚印刷するのにかかる時間は、3(枚)÷21/60(枚/秒)=約8.57(秒)。小数点第2位を四捨五入すると8.6秒となる。これらをまとめると――。
(最初の1枚を出力するまでにかかる時間)+(次の21枚の出力にかかる時間)+(残り3枚を出力する時間)=(25枚を出力するのにかかった合計時間)=12.5(秒)+60(秒)+8.6(秒)=81.1(秒)
そして50枚出力した時点が、毎分21枚と毎分24枚のプリンタの出力時間が同じになる分岐点なのだ。これより多く印刷すると、今度は毎分21枚のプリンタの方が印刷時間がかかる。
1回ごとの印刷枚数が、分岐点より少ない部署では毎分21枚のプリンタを、多い部署では毎分24枚のプリンタを選ぶ方が印刷時間が短く済み、業務効率が高くなるというわけだ。
まず最初の1枚まで30秒かかる。残りの49枚の出力は――毎分24枚なので、次の2分(120秒)で48枚を印刷する。ここまでで49枚になるから、あとは最後の1枚を出力すればいい。1枚何秒かかるか計算してみよう。
1(枚)÷24/60(枚/秒)=約2.49秒。小数点第2位を四捨五入すると2.5秒となる。これらをまとめると――。
(最初の1枚を出力するまでにかかる時間)+(次の48枚の出力にかかる時間)+(残り1枚を出力する時間)=(50枚を出力するのにかかった合計時間)=30(秒)+120(秒)+2.5(秒)=152.5(秒)
最初の1枚まで12.5秒で済む。残り49枚の出力は――毎分21枚なので、次の2分で42枚を枚印刷する。
ここまでで43枚印刷するので、あと7枚印刷しなければいけない。7枚印刷するのにかかる時間は、7(枚)÷21/60(枚/秒)=20(秒)。これらをまとめると――。
(最初の1枚を出力するまでにかかる時間)+(次の42枚の出力にかかる時間)+(残り7枚を出力する時間)=(50枚を出力するのにかかった合計時間)=12.5(秒)+120(秒)+20(秒)=152.5(秒)
速いプリンタ選びには、ウォームアップ時間、FPOを含めた印刷時間を考慮しよう。さらに1回に刷る枚数にも注目だ。
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