続々・ツキの研究 樋口式ルーレットのノウハウ樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」(1/2 ページ)

海外のカジノでルーレットをやったことがあるだろうか。筆者はなぜかルーレットで勝ってしまうのである――。

» 2008年10月10日 16時48分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 今回は書く前になって躊躇(ちゅうちょ)し始めた。書いたら筆者のツキが消えてしまうのではないか、と感じたからだ。今から書く方法を筆者の頭の中にひらめかせたツキの女神が、「ただし、人に秘密を話してはならぬぞよ。話すと、今後は全部ドボンじゃ」と言ったのを、筆者は愚かにも、忘れてしまっているのではないか。

 しかし、原稿を鬼のように催促する編集者の鋭い爪が怖くて、とうとう書くことにした。ただし、ここで言う賭けごとは、マージャンでもパチンコでもない。ましてや、営業部長が部員に「お前がこの注文を取れるか、取れないか、夕食1回賭けるか」という、ホンワカした賭けでもない。

 筆者が今回書くのは(日本ではいまだ許されぬ)カジノでの賭けで、海外のことなのだ。それもルーレット限定である。回転する大きな円盤には、0(や00)から36までの数が配列されていて、白い球がどこかに入るのを当てるヤツである。

ルーレットで“セコ勝ち”が多かった

 筆者がするギャンブルはほとんどルーレットだけ。直感が働くからという理由もあるし、それにルーレットの回っているのをみると人生の不思議を感じるからである。

 さてルーレットには、いくつか賭け方があるのをご存知だろうか。1つの数字に賭けるだけなく、赤/黒、偶数/奇数、前半/後半のほか、2つの数字にまたがって賭けたり、4つの数字に賭けたり――さまざまな賭け方がある。

 たいていのカジノではルーレットのブースに自分以外のほかの客もいる。その中には、ルーレット盤の数字のほとんどに賭けている人もいて、すごいと思う。確かにほとんどの数字に賭ければ、どれかに当たる確率は高まる。だが、それではギャンブルにはならないではないか。当然当たった時の配当倍率も低くなるし、筆者はそういう賭け方は好きではないのだ。

 ではどうするかというと、1回にたった4枚だけのチップを賭ける。36の数字で4つを当てる確率こそ、ギャンブルの面白さだ。賭けは常にシングル(つまり、3とか18とか32などの単独の数字の1目賭け)。一番ギャンブルらしいからだ。これに当たれば配当は36倍になる。しかし、当たる確率は最も低いのだ。

 海外に行って、カジノにちょっと寄ってみた人は多いはず。筆者も長い海外生活で、イギリスのロンドン、米国のリノ、中国のマカオ、モナコのほか、フランス、ナイジェリア、ベトナム、ネパール、オーストラリア、そして何度も乗ったクルーズのカジノなど、世界各国のカジノを訪問した。

 そして大勝ちもしないが、奇妙なことに総計でも負けてはいない。ルーレットで細かく(セコく)勝つことが多かったのだ。

“行ったことがない”のに勝ったラスベガスでヒント

 なぜだろう。なぜ、筆者はセコく勝つことが多いのだろうか。今まで、最も儲けたのは20年以上前のラスベガス。この時は6万円ほど勝った。それも“行ったことがない”のに勝ったのだ。

 もちろんインターネットカジノではない。友人たちとともに米国に旅行した時、筆者は仕事の急用ができて、ラスベガスに行かずに日本に帰国することになった。「残念無念! 一度、ラスベガスに行ってみたかった」と悔しかったが、仕事ではどうしようもない。筆者はそれまで行動を共にしていたグループと分かれて、空港に向かうことになった。

 その時、ラスベガスに向かう友人に、筆者は100ドル(当時1万3000円ほど)と紙切れを渡した。「残念ながら、私はラスベガスに行けない。みんな私のために、この100ドルを賭けて下さい。賭ける数字はこの紙に書いてあります」。4つの数字を10組書いておいたのだ。これで10回はルーレットに賭けられるはずである。

 その後、ラスベガス帰りのメンバーから6万円となった100ドルを返してくれた。「ええっ。こんなに勝ったの」「結果的に勝ったのは、行かなかった樋口さんだけでした。樋口さん、あの数字は何ですか?」

 単純に直感で決めた数字なのだが、賭けを代行した友人は「本当に直感だけですか?」と疑ったものだ。

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