通勤電車で締め切りを強制的に作るのだシゴトハッカーズ(2/3 ページ)

» 2008年10月23日 15時59分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

大橋さんと佐々木さんが試した中で、電車の中など、移動時間に向いているというインプット的作業は、どんなものがありますか?


以前、マニュアルライターとして独立したばかりのころ、作業場所である客先に向かう電車の中ではマニュアルのイロハ的な本を片っ端から読んでいました。電車でのインプット内容が直後の仕事にそのまま応用できるので、読みっぱなし、ということがありませんし、帰りの電車でも読みながら、その日の仕事を振り返るきっかけになるため、今から思うと大変学習効果が高かったと思っています。


私は、電車の中で毎日、比較的難しい神経学、心理学の洋書を読みます。まとまった時間が取れることと、先ほど大橋さんが言ったとおり、時間的な制限が設けられているから、やや背伸びしなければできないようなことでも、できるような気がします。この手の本はまた、電車以外ではまず読む時間が得られないので、かばんの中に入れっぱなしです。つまり、繰り返し現れる環境で、パターン化された行動を取ることになる場合には、日ごろちょっと手が出せないようなことでも、継続できるようになります。

2人とも書籍が多かったようですが、オーディオブックはいかがですか? 電車の中で聞くことはありますか?


家を出てから電車に乗り込むまでの間というのは本が読めませんから、その間はオーディオブックを聴くようにしています。電車に乗り込んだらよほど混雑していない限りは両手が使えますから、読書に切り替えます。でも、どうしても読む気になれない日もあるでしょう。そんなときは、引き続きオーディオブックを聴くようにします。

 意識的に文字を目で追う読書と違い、オーディオブックはさほど「勉強モード」でなくても耳から入ってくる聴かせ上手なプロのナレーターによる「語り」の力で、知らず知らずのうちに聴き入ってしまうのです。ここで「やる気」が復活してくれば、読書に切り替えることもあります。あるいは、聴きながら何かアイデアを思いついたのなら、再生を一時停止して、ケータイやRHODIAなどにメモを取ったりもします。そういう意味で、オーディオブックはインプット手段であると同時に、はし休め的な役割も兼ねているわけです。

ビジネス書や自己啓発本などの書籍や講演に強いオーディオブックポータル「FeBe」

かなり似ていますが、私はiPhoneを使っているので、本を読む気が起こらないときとか、読むことができないほど込んでいるときには、iPhoneからYouTube心理学の講義などを視聴します。ほぼすべて米国のものですが、英語で大学講義を一応「うけている」雰囲気が味わえるので、英語リスニングだけの意味でも、それなりの勉強になるかな、と思っています。

オーディオブックの選び方が全然分からないのですが、いくつかお勧めのオーディオブックを教えていただけますか?

オーディオブックのポータルサイトであるFeBeで選ぶことが多いです。最近では、発売されたばかりの本のオーディオブック版が入手できるようにもなりましたが、個人的には、いわゆる古典的名著のオーディオブックがお勧めです。名著は読み返すたびに新たな気づきが得られるものですが、オーディオブックについても聴くたびに発見があります。そういう意味で、お勧めできるのは、ジム・ローンの『野心を抱け』やジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』などです。新刊本のオーディオブックについても、書籍を買う前に聴いてしまい、“これは文字でも読みたい”と思えたものについては書籍も買うようにします。一度耳で聞いていますから、通常よりも速く読むことができますし、記憶にも定着しやすくなります。

佐々木さんは一般のビジネスパーソンにお勧めのオーディオブックってありますか?


個人的には、勝間和代さんの本を読むのではなく「聞いて」みると、読んだときほどの“プレッシャー”を感じない印象がありました。ラインアップがよくそろっているので、試されてみるといかがでしょうか。

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