共感のコツは「夫婦ゲンカの解決法」にあり明日から試せる「質問のコツ」(2/3 ページ)

» 2008年12月05日 18時12分 公開
[杉本吏,ITmedia]

夫婦ゲンカは「君が怒るのも無理はない……」で切りぬけろ

 「コミュニケーションの基本は共感すること」。日立コンサルティングの社内研修で、芦辺洋司氏をはじめとする講師陣が繰り返し強調していた言葉だ。では、共感するためにはどんな方法が有効なのだろうか。ここでは夫婦ゲンカを例に解説してみよう。

 「夫の帰りが遅い」という理由で、ケンカになってしまった夫婦がいるとする。もしもあなたが夫だったら、どうやってその場を収めようとするだろうか。

 仕方がないだろう、仕事が終わらないんだから。今の時期はプロジェクトが軌道に乗るかどうかの正念場なんだから、もうしばらくは我慢してくれ。

 こんな風に理屈で説得しようとすると、「私だってやりたいことがあるのに!」だとか、「我慢なら毎日してるわよ!」といったように、双方が自分の言いたいことだけを言い合う場になってしまう。家庭だったら、言いたいことをすべて言いきってすっきり仲直り――ということもあるかもしれないが、ビジネスの現場ではなかなかそうはいかない。では、以下のようにひたすら謝るという態度ではどうなるだろうか。

 ごめん、俺が悪かった! 仕事はなるべく早く終えるようにするから、分かってくれ……ごめん!

 これでは、単に「怒られたくない」とか、「とにかくこの場を切り抜けたい」という魂胆が見え見えで、相手はますます腹を立ててしまう。また、「仕事はなるべく早く終える」など、中途半端なことを言っても、相手の怒りを収める効果はほとんどないものだ。

 ではどうしたらいいのだろう。日立コンサルティングの講師によれば、夫婦ゲンカを最も簡単に収めるコツとは「相手の怒りが、いかにリーズナブルな(もっともな)ことかを、丁寧に説明する」ことだという。ここでも、相手を主語にすることを心がけよう。

 確かに俺の帰りが遅いから、君はいつも1人で食事することになるよね……。子供の面倒も見なければならないし。怒るのも無理はないよね。ほかにも……。

 こんな具合に、相手が怒っている理由を想像し、相手の代わりに自分から説明する。すると相手は、「そうなのよ、実はあのときはこんな気持ちで……」と、自分の気持ちを語りやすくなるわけだ。

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