本から知識だけを得ようとしてませんか？ 逆転発想の読書術：3分で読める！ 隣のヤツより成果を出す勉強術（2/4 ページ）

[水野浩志，ITmedia]

思考力が身につかない読書

　そんな時代の変化もあって、思考力を身につけたい人が最近特に増えてきているようです。書店でも、思考力をテーマにした書籍が目に付きます。ベストセラーのランキングに登場することも珍しくありません。

　では、そういった本の読者に「自分が望む思考力を身につけられましたか」と聞くと、思考力が身につかなかったとの返答が目立ちます。どうやってその本を読んだのかを聞いてみると、たいていの場合、

• 本から知識を得ようとして読んでいる

　というのです。これでは、思考力は身につかないでしょう。なぜなら、思考力を身につけるつもりでいながら、その実、人から与えられた思考パターンの情報を得ようとしているだけだからです。前段で上げているように、知識を得ることは、ひと世代前の考え方で、こうした読み方は、旧態依然の価値観の中での行動にとどまっているわけです。

　そもそも思考パターンというものの多くは、時代の流れに合わせて陳腐化してしまいます。重要なことは、他人の思考パターンを覚えることではなく、その時々で使える思考パターンを自分自身で作り出せる力。それこそが、本当の思考力である、といえるのではないでしょうか。