「トーク力」はビジネスシーンで求められる重要な能力。「人からテクニックを盗む」「話し方に関する本を読む」のもいいですが、その前に絶対にしておくべきことがあります。
自己表現系のセミナーなどを行っている仕事柄、「どうやったら話し方が上手くなるでしょうか」という質問をよく頂きます。確かに、ビジネスにおいてトーク力は求められる重要な能力となります。
ということで、今回は、自分自身のトーク力を短期間で改善させるための方法をお話ししたいと思います。
面白いことに、話し方が上手くなりたいと悩んでいる人に
「自分がどんなトークをしているかを把握していますか?」
と聞くと、全く把握していないケースがほとんどなんですよね。自分のトークを改善するためには、まず自分がどんなトークをしているのかを把握する必要があります。これが出来ないと、いくらトークのテクニックを学んでも、それを身につけることも身についたかを確認することも出来ません。
ですから、自分のトークを改善するためのステップ1は
ということになります。
やり方としては、まずICレコーダーを用意します。今は安いものでしたら4000〜5000円で手に入りますので、勉強代と思って買われるのがよいかと思います。
次に、自分のトーク力を改善したい状況を決め、その時のトークを録音します。この時、色々なシチュエーションでのトークを改善したいと欲張らず、まずは1つのシチュエーションに限定しておいた方が良いでしょう。例えば会議の時の発言とか、上司への業務報告とか、商談時のトーク、といったもののうちの1つに限定する、ということです。
全てのトークをいっぺんに改善しようとせず、まずは今一番自分が改善したいシチュエーションを選んで録音し、それを聞き直すということに取り組んでみて下さい。
さて、実際にトークを録音して聞き直してみると、誰に言われるまでもなく、自分自身でどこをどう改善するべきかというポイントがすぐに分かることと思います。「『えー』という言葉をよく使う」とか、「言葉の最後がぼそぼそと小さい声になってしまう」とか、おそらくはもう嫌というほどたくさんの改善点が見つかるでしょう。
ですから、次は自分自身が洗い出したそのポイントを改善していけばいいということになります。ただ、改善に取り組む際に1点だけ注意しておくと、
ようにして下さい。初めて自分のトークを聞くと、もうたくさん直さなければいけないことが出てくると思います。しかし、人間1度にたくさんのことを改善することなど出来ません。ですから、特に気になるポイントをひとつだけ挙げて、そこを集中して改善し、だいたい治ったら次のポイントへ移るといった形で取り組んだ方が、結果的にはトーク全体の問題点が早く解決することと思います。
改善に取り組んでいる最中も、常に決めたシチュエーションでのトークを録音し、すぐに聞き直して改善されたかどうかを確認する、という作業はやり続けて下さい。これを続ければ、驚くほどに自分のトークが改善されることでしょう。
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