リージャスは新幹線の駅から徒歩、あるいはタクシーで10分から15分くらいの所にあるので、駅に到着する時間がだいたい把握できるのもいいところだ。
しかしわずか十数分であれば、リージャスのラウンジではなくカフェでも良さそうなものだが、それでも近くにビジネスラウンジがあればそこを使うようになった。この理由をいくつか挙げてみることにする。
振り返ってみると、実は、ポイントが高いのは5番目だ。自分のオフィスや馴染みのスペースに帰ってきたときの、「ただいまー」な感じがどことなくある。受付の人も、利用者へのホスピタリティーが非常に高く、それでいてキビキビと小気味よい対応をしてくれるのもまたいい。
初めて行ったオフィスでも会員カードを出せばすぐに利用できるし、帰るときも、受付に行って「どうも」といえばカードを返してくれて、気持ちよく送り出してくれる。ネットがつながらないとか、コーヒーマシーンの操作などで分からないことがあれば、気さくに明るく対応してくれる。このへんが「各地に自分の場所がある」感を作っているように思う。
リージャス仙台マークワンセンターのマネージャーである阿部さんにお話を伺った。リージャスのシステムには、いろいろと面白いところがあった。
リージャスには値段が異なるいくつかのグレードがある。筆者の会員グレードは全国のビジネスラウンジだけが利用できるものだが、リージャスのメインとなる事業は、1つ上のグレードの「貸しオフィス」なのだそうだ。会員は、貸オフィスを借りている場所以外の所では、ビジネスラウンジが使える。
さらに下のグレードには、自分が指定した場所のラウンジだけを利用できるものもある。自分が利用したいグレードに応じて値段は変わってくるが、筆者のカードは日本全国利用できるタイプのもので、月会費は3465円。その点について、阿部さんからもう少し詳しく教えてもらった。ゴールドカードには、以下の3タイプがある。
1番目の「1都市のみ利用出来るタイプ」は、例えば仙台の場合だと1センターしかないので1カ所のみの利用になるが、東京だと16センターあるので16カ所の利用が可能となる。他のグレードについては、リージャスのWebサイトで確認できる。ただ、なぜかWebサイトの表記はあまり細やかに書かれておらず、これだけでは正確に理解するのはむずかしい。身近なラウンジを訪ねてようすを見つつ、サービス内容を聞くことが前提だからだろうか。
筆者のカードには含まれていないのだが、電話対応の代行サービスもある。ラウンジにいると受付の電話がひんぱんに鳴り、受付の人がさまざまな社名で電話応対をしている。実にすばらしい対応力で、電話を取り次ぐことはもちろん、売り込みの電話についての対処もしてくれる(英語でも対応できる)。アポなしの飛び込み営業マンに対しても、しっかりと対処されている。創業間もないころであれば、その貴重な時間を効率的に使えるので、このサービスはかなり魅力的だ。
当初は「リージャス? あまり聞いたことがないなー」と思ったが、世界の主要都市に1200ものビジネスラウンジを構えており、メンバーは各国のラウンジの利用が可能になる。筆者のカードは先の3タイプでいうと国内用のものだったが、もし海外に行ったとき、とくに知らない都市を訪れた際には、世界中のラウンジが利用できるプランならとても心強かろう。
最後に、4万1580円(日本全国利用できるタイプを1年間利用した場合)が手元にあったら、他に何ができるかを考えてみた。
筆者は長期出張が多いため、平均すると出張1回につきラウンジを3回ぐらい利用している。年間でいうと、30回程度使っている計算になる。そうすると、1回の利用コストはだいたい1400円といったところか。
2時間いて、エスプレッソやカフェラテ、コーヒーなどを3杯ぐらい飲んで、無線LANと電源を使って仕事をする。たとえ知らない街にいたとしても、ほっとできる場所。それで1回につき1400円であれば、割と悪くない。ただ、出張が少ない人だと少しもったいないかも。
最後にアイデアを1つ。このあたりの金銭感覚をもとに、「セルフの飲み物、無線LAN、電源、2時間、1400円」を出張者用に提供するカフェがあったらいいのに、と思った。マンガ喫茶もアリかもしれないが、スカイプ会議で声を出すのは周りの方の迷惑を考えるとちょっとはばかられるものがある。各地のホテルのラウンジなどに、こうしたパックができたらいいのにな、と思ったのである。