海外に住むという経験を持つ20代にしておきたい17のこと(2/3 ページ)

» 2012年12月11日 11時00分 公開
[本田健,Business Media 誠]

海外に住むという経験を持つこと

book 『20代にしておきたい17のこと』(だいわ文庫)

 家庭の事情が許して、チャンスがあれば、海外にしばらく住んでみるのも20代でしておきたいことの1つです。そうすることで「世界」は日本だけじゃないなということが分かるし、自分がどう生きたいのかも感覚的に理解できると思うのです。

 例えば、アメリカに行って大きな家に住んだら、そのメリットやデメリットが分かります。大きい家に住むことはよくても、アメリカは町そのものが大きいから、ちょっとショッピングに行こうと思ったらいつも車を出さないといけない。「緑が豊かな地域で大きな家に住む」のと「気軽にショッピングしたり、カフェに行く」のと、両方を取るというのは難しいことが分かりました。

 実際に、違う文化とか違う国に住んでみたら、自分の望んでいるものが何なのかということもはっきり分かってきます。お昼寝する習慣がある文化の国に行ってみると「お昼寝はいいな」と思う。しかし、買い物する立場になると、不便このうえないわけです。

 私自身、数年海外で住んでみて日本のよさを再認識しました。海外に住んだ体験がなかったら、日本のすばらしさをいまほど実感しなかったでしょう。

 「本当は海外に行きたかった」とか、「本当は田舎じゃなくて別の場所に住みたかったのに」と思いながら過ごしている人は多いと思うのです。実際やってみたから「いや、海外に住んでみていいところもあったけど、不便なこともあったし、いろいろ考えていまはこっちのほうがいい」と言えるようになり、いまの生活により満足できているように思うのです。

 一度住んでみたいと感じるところがあれば、とりあえず行ってみましょう。

いままでに体験したことのない世界を見てみる

 私の海外での体験ですが、文明社会と隔絶された村にしばらく住んだことがあります。すべて手作りで電気も通っていないので、当然ですが電化製品もありません。トイレもないので、どこでもどうぞ。お風呂は川で自由に洗いましょうという感じです。

 考えてみれば、つい百年前までは日本だってそんなに変わらない生活だったはずです。いまはお金で何でも買えるようになって、お金さえあればいい生活ができます。逆にいえば、お金がなくては死んでしまうという感覚さえも身についてしまっているのではないかと思います。

 でも、電気もない村で暮らしていると「仕事で結果を出せなくても死ぬわけじゃないし、困ったらここに戻ってきて仲間に入れてもらおう」という感覚になりました。しばらく土とたわむれる生活をしていたら、こういうふうに生活していくことも可能なんだという心の余裕もできました。自分がまったく体験したことがない世界を折に触れて見てみるのは、とても面白いのではないかと思います。

 これは別に海外旅行だけじゃなくて、職業にもいえます。私は20代のときに、いろんな人たちのつてをたどって職場を訪問しました。例えば弁護士やお医者さん、クリーニングのチェーンのオーナーや大学の先生など、面白そうだなと思う人たちのオフィスにお邪魔して、その人たちがどういう働き方をしているのかを見せてもらいました。その結果、自分がいちばん面白そうだと思う仕事を選ぶことができたのです。

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