ビジネス成功への近道は、必ずしも最高のアイデア、綿密な計画があることではありません。むしろ、実験と修正を繰り返した結果、よいものを残していく「生物の進化論」をベースに考えるとよいでしょう。
成功する一握りの人々だけが実践する、共通の「思考の法則」を知るには、いったん私たちが常識だと考えてきたルールをリセットする必要があります。そして、彼らの行動や考え方に注目し、そのエッセンスを吸収して、その根底にある思考のサイクルを身に付けることが重要です。
成功者はみな、次にあげる5つのビジネスプロセスを何度も、高速回転で循環させています。私は、キーワードとなった5つの英単語の頭文字をとって「5Aサイクル」と呼んでいます。
さて、ここで問題です。
元スタンフォード大学教授のジェームズ・C・コリンズらは、長年、超一流企業であり続けた代表的な企業(3M、アメリカン・エキスプレス、ボーイング、ゼネラル・エレクトリック、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど18社。中には150年以上も繁栄している企業もある)を選び出し、ビジョナリーカンパニー(未来志向の企業)と名付け、創業から長年にわたる軌跡を同業他社と比較調査しました。
その結果、意外な事実が判明しました。一般的に考えられている「一流企業として存続する条件」は、彼らが選んだ優れた企業には、当てはまらなかったのです。
通常は「素晴らしいアイデアがあり、それを実現するために会社を設立したのだろう」と私たちは思い込みがちです。しかし、多くの優れたビジョナリーカンパニーの設立時の様子を調べると、「取りあえず会社を作った。そして、アイデアを探した」のが実態だったのです。特に設立初期では、なんでも屋のようにあらゆる可能性を試した企業が多いのです。
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