「くじけぬ心」を持てば、未来はもっと明るくなるRe:Work !(2/5 ページ)

» 2013年03月28日 10時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

失敗は未来への投資

 とはいえ他に言葉がない(実際には置き換えられるが、読みづらくなる)ので、あえて「失敗」という言葉を今回は使っていく。

 失敗して落ち込み、くじける。ここには失敗が“悪”であるという認識が根付いているように思えてならない。つまり失敗とは「やってはいけないこと」なのだ。確かに会社で何か失敗すれば怒られるし、プロジェクトを外されるなど具体的な措置がとられることもあるだろう。そうなれば、気持ちが沈んでしまうのも分からなくはない。

 しかし実のところ、会社はそんな失敗など大して気にしていない。これは社員に感心がないのではなく、社員が大なり小なり失敗することなど、最初から「予測の範囲」なのである。そんなことを気にしていたら、採用なんてできるはずがないのだ。

 分かりやすいのでまた新卒社員を例に挙げれば、彼らは初めて社会に出て仕事をするのだから、失敗しない方が無理な話だろう。これは、既に社会に出ている人なら誰もが納得すると思う。ではなぜ大きなコストを費やし、ほぼ100%失敗するであろう人材を採用するのか。これは、彼・彼女らの“将来”に投資しているからだ。

 「失敗しても良い。そこから学び、成長して、詳細それ以上の成果を会社に与えてくれ」

 といった具合に。これは新卒に限らず、中途社員だって同じ。もっといえば、入社何年も経つベテラン社員に対しても何ら変わらない。どんな失敗をしても、それを上回るものが返ってくれば、会社としてはOKなのだ。

 株に投資して100万円失ったとしよう。しかしそこで株の仕組みや自分なりの理論を得て、それをもとに今度は1000万円の利益を得たら。先の100万円は“学び”を得るための投資となり、1000万円はその学びによって生み出された成果だ。少し極端な例かもしれないが、そう考えれば失敗など悔いる必要がないものだと分かるだろう。

 もちろんこれは、「失敗しても気にするな」と単純に言っているわけではない。失敗したのなら、大いに反省すると良い。しかしそこで「ダメだ」となるのではなく、失敗の原因を見つけ出して、その後の成果へとつなげてほしいのだ。そうすれば、失敗はもはや失敗ではなく、未来を作るための土台となるだろう。

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