自分と相手の得を考える世界で通用する人がいつもやっていること(1/3 ページ)

「誰かの役に立つと、脳は快感を覚える性質がある」と、脳学者の中野氏は言います。脳が快感を得ることで、何事にも意欲的でいつまでも若々しくいられるという良いスパイラルが生まれます。自分がやりたいことをやって楽しむことが、誰かを楽しませることにも通じているのです。

» 2013年05月28日 11時00分 公開
[中野信子,Business Media 誠]

集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について

 本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。

 世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。

 著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。


著者プロフィール:

中野信子(なかの・のぶこ)

 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。

 現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。

 学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする


どんな状況もチャンスに変える

 知る人ぞ知る財界人のYさんは、御年74歳。政界の実力者と言われるような人たちが頭を下げて「その生き様を学ばせてください!」と集まってくるような人です。

 背はそんなに高くなく男性にしては小柄なほうなのですが、実に迫力のある雰囲気を持っています。各方面に事業を広げて成功を収められていることもあり、ときには視線の鋭い黒服の男性が側に控えているため、こちらもドキドキしてしまいます。

 でも実際に話してみると、とても気さくで話題も豊富。いつも笑顔を絶やさず、頭の回転も速くて会話が楽しいという、素敵なお爺さんなのです。

 とにかくYさんは迫力のあるオーラを発散していながらも、年齢相応の「くたびれ感」を一切出していません。いつも攻めの姿勢で、常に新しいことにチャレンジしています。さらにそこで、一定の成果をも収めているのです。

 今回は、Yさんの行動で特にすごいなあと感じた出来事を紹介します。東日本大震災直後、Yさんは真っ先に東北に飛んでいきました。とはいっても、ボランティアをするのでもないのです。いったいYさんは、東北へ何をしに行ったのでしょうか?

 実はYさん、「大震災があったことで、仮設住宅の受注合戦や、復興のための建設ラッシュが必ず起こる」と見越したのでした。豊かな人脈を持っているYさんは、不動産や建設の業界にも顔が利きます。並みいる若者に先駆けて、仕事の受注が入るように先手を打ったのです。

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