さて、連載第2回の記事で、LTEスマホのパケット定額には通信量の制限があることを説明しました。動画を長時間視聴するような使い方をしなければ問題なさそうでしたが、パケット通信を使った長電話はどうなのでしょうか。
LINEとFaceTimeを1時間使って、データ通信量をチェックしました。
項目 | LINE | FaceTime |
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使用スマホ | ドコモ・GALAXY S4 | ソフトバンクモバイル・iPhone 5 |
データ通信量 | 18.22Mバイト | 48.6Mバイト |
バッテリー消費量 | 25% | 38% |
LINEはドコモの「GALAXY S4」から、ビデオ通話のFaceTimeはソフトバンクモバイルの「iPhone 5」から電話をかけてみたところ、1時間も通話をすると通信量が多くなるものの、それでも毎日1時間通話をしたとしても、30日でせいぜい1.5Gバイトくらいです。ドコモの「Xiパケ・ホーダイライト」の制限量が3Gバイトと少ないのですが(ウィルコムが1Gバイトのプランを発表しましたが)、大丈夫そうです。他のケータイ会社は制限量が5〜7Gバイトなので、特に気にしなくても大丈夫でしょう。
表にはバッテリー消費量も掲載しました。今回は画面を点灯させたままにしたので、かなりの消費量になっていますが、実際に通話する場合には、端末を耳にあてると画面が消灯するので、ビデオ通話でなければバッテリー消費は抑えられます。
それでは1日1時間、他社ケータイ(サービス)と通話をし続けた場合、1ヵ月の通話料はいくらになるのでしょうか。SMART、050 plusの有料プランも含めて比較してみましょう。
イー・アクセスは、1回で10分経過した後も50分間通話したという計算です。SMARTと050 plusはドコモのプランに追加した場合です。
項目 | NTTドコモ | au | ソフトバンクモバイル | イー・アクセス | SMART | 050 plus |
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基本使用料+パケット定額+割引サービスなど | 6030円(タイプXiにねん+Xiパケ・ホーダイ ライト) | 8260円(LTEプラン+通話ワイド24+LTEフラット) | 7735円(ホワイトプラン+Wホワイト+パケットし放題フラット) | 6260円(LTE電話プラン(にねん)+通話定額オプション+データ定額5) | 6030円 | 6345円 |
違うケータイ会社との通話 | 7万5600円 | 3万7800円 | 3万7800円 | 5万6700円 | 3万240円 | 3万240円 |
合計 | 8万1630円 | 4万6060円 | 4万5535円 | 6万2960円 | 3万6270円 | 3万6585円 |
基本使用料やパケット定額等に加えて、1日60分、30日で1800分という長電話の通話料を加えました。30秒では数円の差でも、長時間の通話をすると、大きな差になるのが分かります。
もっとも安いのはFUSIONのSMARTです。050 plusは月額315円分の差で2位。ドコモでそのまま通話した場合と比べて、無料通話サービスが大変お得なのが分かります。
ただ、これはあまりに極端な例です。もっとバランスよく通話したことにします。
1日1時間の通話時間の配分を以下のようにしてみます。
ドコモは月額700円の「Xiカケ・ホーダイ」に加入してドコモ同士の通話を無料にしたケースをモデルにしています。イー・アクセスは違うケータイ会社同士、固定電話では10分経過後さらに10分通話したという計算。auとソフトバンクモバイルは1〜21時に同じケータイ会社同士で通話したと考え、新たなサービスには加入しません。
項目 | NTTドコモ | au | ソフトバンクモバイル | イー・アクセス | SMART | 050 plus |
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基本使用料・パケット定額など | 6730円 | 8260円 | 7735円 | 6260円 | 6730円 | 7045円 |
同じケータイ会社・サービス同士と通話 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
違うケータイ会社・サービス同士と通話 | 2万5200円 | 1万2600円 | 1万2600円 | 1万1340円 | 1万80円 | 1万80円 |
固定電話 | 2万5200円 | 1万2600円 | 1万2600円 | 1万1340円 | 1万80円 | 1680円 |
合計 | 5万7130円 | 3万3460円 | 3万2935円 | 2万8940円 | 2万6890円 | 1万8805円 |
ここでも無料通話アプリの効果が大きいことが分かります。とくに050 plusは固定電話との通話料がとても安いので、SMARTに差をつけました。イー・アクセスのスマホで無料通話サービスを使えば、さらに安くできます。
このように長電話をする人にとって「無料通話サービス」は、「無料ではない場合」も節約できることが分かります。さらに上の表で「違うケータイ会社」の相手と、「LINE」や「FaceTime」同士で通話ができたら、通話料は0円になります。
このように無料通話サービスは、料金面ではメリットばかりです。通話をよくする人が節約をしたいのなら利用したいサービスです。
次回はウィルコムの新料金プランと、「2台持ち」がお得かどうかを検証します。
釣りと猫を愛する1982年生まれのフリーライター。宮城県出身。神奈川大学卒業後、編集プロダクション「ゴーズ」に入社。携帯電話の記事に携わり後に独立。雑誌、Web媒体でスマートフォン、タブレット、家電周辺の記事を細々と執筆している。ケータイライターを自称しているが「電話が苦手」「人見知りする」というコミュニケーションとは正反対の側にいる人物。30歳で糖尿病と判明し、ダイエットをしてはリバウンドする日々を送る。著書に「初めてでも絶対わかるiCloud&iTunes」(ソフトバンク クリエイティブ、共著)など。
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