散歩の達人は「解決の達人」――ぶらぶら歩くことは創造力を高める3分LifeHacking(1/2 ページ)

忙しい毎日。時には何もしない喜びを存分に味わってみてはいかがでしょうか。無意味なことにも力は宿るのです。ぶらりと散歩に出れば、クリエイティブなひらめきが生まれるかもしれません。

» 2013年10月08日 08時45分 公開
[Divya Pahwa(訳:堀込泰三),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 多くの文豪が、頭の整理のためにあてもなく歩いたといわれています。心をストレスから解き放つことが、新しいアイデアを生み出すきっかけになったのでしょう。

ディケンズにならって、私も歩いてみた

 イギリスの小説家で『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』などを書いたチャールズ・ディケンズは、1日に20マイルも歩いたそうです。

 ディケンズにとって、歩くことは2つの意味がありました。1つは、その鋭い目を使って賑わう街のさまを記録する事実調査の意味合い。街の様子を記述することが、彼にとっての商売道具だったのです。

 (中略)ところがディケンズの人生にとっては、もう1つの意味が重要でした。彼にとって歩くことは、自己防衛の手段でもあったのです。

 (中略)ディケンズは、書くことがつらく苦しい作業であることを知っていました。デスクで時間を過ごすと、途方もないほどのイライラが募ります。歩くことは安全弁のような役割を果たしたのです(『Frisky as the Dickens』より)。

 私もやってみることにしました。この2週間毎日、頭が働かないときはデスクを離れて外に出ることにしたのです。近所を闊歩したり、公園を散策したり……これが正解でした! 私の頭は再び回り始めたのです。次の一歩につながるような、完璧な外出になりました。

 どういうわけか、デスクを離れて外に出ると抱えていた問題でも筋道を立てて考えられるようになるのです。なぜ、そんなことが起こるのでしょうか。

草木の存在が創造力を高める

 デスクを離れて外を歩くと、必ず木々を目にします。たまに長い散歩をすると、草原にたどり着くこともあるでしょう。自然の緑は穏やかで、心を落ち着かせてくれます。それだけではなく、創造力も刺激するのです。

 ドイツとアメリカの研究者が、豊かな緑を見ることが創造力に与える影響を調査したことがあります。被験者は、緑、白、赤、灰色、青のうち1つの色を見せられます。短い間、その色を見た後で、クリエイティブなタスクが与えられます。例えば「空き缶のクリエイティブな使い方」や「丸いもの」を思い付く限りに挙げるといったことです。

 その結果、見せた色とデータに強い相関が見られました。緑を見せられた被験者は、空き缶の面白い使い方を思い付いたり、あきれるほどに丸いものを挙げられたりと、創造力のパフォーマンスが高かったのです。緑を見ることでクリエイティブな解決策に至った、型にはまらない考え方ができるようになったのです。

 同じように、詩人や作家は歩きながら色を「取り込む」ことによって創造力を高められたのでしょう。

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