現在、社会全体が「残業ゼロ」の方向へと変わりつつありますが、残念ながら、まだ、遅くまで仕事をすることが「よし」とされる風土を持つ職場もあります。
私もかつて、育児をしながら会計ソフトを開発・販売する会社で営業をしていたときは、「時間の縛り」と「ノルマのプレッシャー」との間でもがいていました。
法人営業だったこともあり、男性が多く、まわりには、家事や育児などで絶対的に残業ができないという事情のある人は少なかったのです。
私は育児のために、定時で仕事を切り上げなければなりませんでした。しかし、もう少し時間があれば結果が出るというときや、まだ残っている同僚が会議に参加したり業務をこなしているのに、自分だけ帰り支度をしているときには、まわりに対して肩身の狭い思いもし、自分としても抵抗がありました。どこかで「残業しないで帰るやつは、がんばっていないやつだ」といった空気があるような気がしたのです。
そんな環境の中、残業をしないで営業をするのはとても苦痛でした。また、最初はそれほど結果を出してもいなかったので、周囲の目が気になって仕方がありませんでした。
それでも私は、残業しない営業スタイルの始めの一歩として、周囲に、
「残業絶対ゼロ」
を大きな声で宣言するようにしたのです。気分はまるで「背水の陣」でしたが、だからこそがんばることができたと思っています。
私は「残業絶対ゼロ」宣言に合わせ、まわりの人たちに、がんばっている姿をアピールするようにしました。
日々の営業報告は逐一、上司に報告し、現場で起きたことは、ささいなことであっても相談するようにしていました。
今から思うと、報告や相談など、やり過ぎかなと思うくらいアピールしましたが、それによって、周囲に「須藤はがんばっている」ということが伝わり始めたのです。
宣言当初は、必ずしもみんなの理解が得られるわけではありません。これはみなさんの職場でも同じかもしれません。
それでも「残業絶対ゼロ」を宣言して、がんばりをアピールして着実に結果を出せば、必ず認められる日が来ます。
ここまで読んでも、まだ「どんなに時間をかけても、結果さえ出せばいいじゃないか」と考える人もいるかもしれません。
なるほど、それも1つの考え方でしょう。しかし私の営業法を実践するならば、「残業絶対ゼロ」でもノルマを達成できるのです。
死ぬほどがんばって残業するか?
「残業絶対ゼロ」で定時に上がるか?
あなたはどちらのスタイルでノルマを達成しますか?
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