集客と顧客の定着化、きめ細かい接客対応までを1つのソリューションで――。「potto」は“スマホ時代”の会員サービスを追求する中で生まれた“カードソリューションの進化系”。これからの店舗に求められる“SNSと店舗、Eコマースの一元化”を支援する。
ポイントカードや会員カードは財布の中でやっかいな存在だ。お得なサービスを受けられるのはうれしいが、いつ使うか分からないカードをいつも持ち歩いていると、財布は太る一方。使うときに限って家に置いてきてしまい、イライラすることもしばしばだ。
こうした中、会員カードやポイントカードをスマートフォンのアプリとして提供する動きが加速している。紙と違ってかさばらず、いつも持ち歩いているスマートフォンの中に入っているので、「家に置いて使えなかった」ということもない。アプリを立ち上げさえすればすぐ使えるという利便性の高さも手伝って、利用者が増えている。
このアプリ化した会員/ポイントカードを、単なる紙からの置きかえではなく、“スマホ時代に最適化したサービス”に進化させようというのがレピカの「potto」(ポット)だ。
お店に来る前からポイントやクーポンを提供し、来店時には会員ランクに応じたサービスでもてなす――。レピカ CEOの岩井陽介氏は、pottoを導入した店舗は顧客に対してこんなサービスが可能になると胸を張る。
pottoは、販売促進に役立つ機能をスマートフォンアプリに組み込めるモジュールだ。このモジュールを利用することで、店舗は多額の開発コストをかけることなく、アプリに「自動チェックイン」「ポイント」「クーポン」「お知らせ」「ミッション」「会員ランク」といった機能を実装できるようになる。
pottoを使うと店舗のサービスはどう変わるのか。1つは、来店前からポイントやクーポンを顧客に配信可能になる点だ。pottoを組み込むと、アプリ内に「ミッション」というコーナーが展開され、顧客は店舗が用意したさまざまなミッションに挑戦できるようになる。このミッションは、クイズに答えたりFacebookの店舗の投稿にいいね!をつけたり、Twitterのコメントをリツイートしたりすることでクリアでき、会員はクリアするたびにポイントやクーポンを取得できるほか、会員ランクを上げることもできる。
2つ目は、それぞれの顧客に最適化した接客が可能になる点だ。pottoにはチェックイン機能が用意され、pottoをインストールしたスマホを持つ人が店に入ると、店内のセンサーがそれを自動で検知する。それと同時に接客用のディスプレイには、顧客の属性やクリアしたミッション、会員ランクなどが表示されるので、店員は顧客を「○○さま、いらっしゃいませ」と名前で呼ぶような特別待遇で迎え入れ、会員ランクに応じた特典を提供したり、ミッションで関心を持った商品について説明したりといった、“先回りしたサービス”を提供できる。POSと連動すれば、購買履歴に応じた提案も行えるという。
レピカ 新規事業開発部 部長の増岡格氏はpottoのメリットについて、「従来の会員情報に加え、どんな新製品にいいね!をしたか、どんな情報に関心を示したかという、“店にいないときにどうしたか”が分かり、店頭で顧客の関心や状況に応じた接客が可能になる」と話す。また、これまではソーシャルサービスで反応してくれた顧客が店頭に来ても、店員はそれを知る術がなかったが、pottoを使うことで分かるようになるのも大きいという。
※初出時に掲載されていたレピカによるサービス比較表は、誤りがあったため取り下げました(2014年2月21日18時50分)
顧客が店に来ない期間に、どうしたら絆を保てるか――。pottoは店舗のこうしたニーズに応える形で開発されたと増岡氏。今後は、これからの店舗に求められる“SNSと店舗、Eコマースの一元化”を支援する機能を追加する計画で、決済やEコマース連携の実装を予定している。
すでに三重県の複合温泉リゾート施設「アクア・イグナス」での採用が決まっており、レピカでは2014年末までに30社4000店舗への提供を目指す。「真の照準は東京オリンピック。それまでに機能を磨いていきたい」(増岡氏)
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