成功したければ、退屈を受け入れよう3分LifeHacking(1/2 ページ)

目標を定めても、成功するめどがつかない場合、また長期間にわたって取り組まなければならない場合、モチベーションが徐々に下がってくるかもしれません。しかし、それは諦める理由にならないというのです。

» 2014年05月02日 09時00分 公開
[James Clear(原文/訳:佐藤ゆき),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 誰もが夢や目標を持っているでしょう。ですが、それを持ち続けることは時に難しいものです。周囲の人がこんな言葉を吐くのをよく耳にします。「本気で取り組もうと思ったんだけど、長期間やる気を保つのは難しくて……」もしくはこんなセリフ。「意志の力が弱くて。始めたはいいものの、情熱を保って、長期間集中することができないみたい」。ご安心ください。私も似たようなものです。

 あるプロジェクトを開始して、それにちょっと取り掛かってみる。すると、次第に集中力を失って、ほかのことを始めるといった感じです。そんなことの繰り返しで、最終的に振り返ってみると、全然やろうとしていたことが進んでいない、ということはしょっちゅうあります。

 こうした問題について考えたとき、私はとある日にジムで身体を鍛えていたときに学んだ教訓を思い出しました。

情熱とモチベーションに関する誤解

 その日、ジムにはあるコーチが訪れていました。彼はその長いキャリアにおいて、国内のトップアスリートやオリンピック選手も含めて何千人ものアスリートのコーチをした経験があります。

 私は自分のトレーニングが終わったとき、彼にたずねました。「トップクラスのアスリートとそうではない人の違いは何でしょうか。成功を収める人だけが取る行動とは何ですか?」彼は、遺伝、運、才能といった誰もが予測するようなコメントを簡単に言いました。

 すると次に、私が予測していなかったことを言いました。「ある意味、日々のトレーニングの繰り返し、同じことをひたすら繰り返すことにも耐えられる人だろう」と彼は言ったのです。

 このアドバイスは、意外なものでした。なぜなら、仕事について一般的に考えられていることとは異なる視点だったからです。

 多くの場合、人は目標に到達するために、やる気を高める方法、情熱を保つ方法を重視します。仕事においても、スポーツやアート活動についても同様です。よく耳にするフレーズは「どれだけの情熱を注げるかが鍵だ」というものです。

 その結果、多くの人がやる気が下がったときに落ち込んでしまいます。成功する人は、自分とは違って情熱や強い意志の力を常に保つことができるのだろう、と感じるからです。そうした考え方は、このコーチが言った内容とはまったく反対の考え方です。

 コーチのコメントは、真の成功者もまた、ほかの人と同様に目の前のことに対して退屈になったり、やる気を失ったりすることがある、というものでした。毎日、常に高いモチベーションを保つことができるような魔法の薬を飲んでいるわけではありません。成功の秘けつは、目標を諦めずに、目の前の行動に集中することです。トップレベルの実力者は、常に練習の場に姿を見せ、退屈な内容であっても課題に取り組み、目標に到達するために必要な日々の活動に真摯(しんし)に取り組みます。

 コーチによれば、トップアスリートとそれ以外の人の違いは、やる気が湧かないときでも課題をこなすことのできる能力があるかどうかだ、ということです。それは、プロとアマチュアの違いでもあります。

やる気が上がらないときに仕事をする

 誰でもモチベーションが上がっているときには、懸命に仕事ができます。

 私がアスリートだったころ、大きな勝利を収めた後の翌週は、喜んで練習に取り組みました。当然ですよね。コーチも上機嫌で、チームメイトもみなやる気が高まっているので、誰にでも勝てるような気分になっています。起業家としても、顧客を得られて、物事がうまく進んでいるときは仕事に対するモチベーションが高まります。良い結果が得られていると、どんどん前に進みたくなります。

 ですが、退屈さを感じているときはどうでしょうか? 仕事がうまく進まないときは? 誰も関心を見せてくれず、望んでいたような結果が得られないと感じられるときはどうでしょう? 10年間もの下積みにも耐えられますか?

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