“通信費節約”だけじゃない! 自分にあった格安SIMプランはどれ?【2014年夏の陣】(1/2 ページ)

スマホの利用料金を安くするためには、格安SIMを検討するのも1つの手だ。しかし、さまざまな事業者が展開しているプランは似たようなものが多い。今、注目すべきプランはどれだろうか?

» 2014年06月02日 07時30分 公開
[小林誠,Business Media 誠]
格安SIM

 スマホの料金を少しでも安上がりにできないか――そんな検討に欠かせないのが「格安SIM」。使い方次第で「月額利用料1000円以下」に抑えられるなど節約効果は高いが、どれも似たようなプランに見えてしまい、選ぶのが難しいという声も挙がっている。

 そこで格安SIMを提供する会社が目指しているのが、各社がオリジナリティに富んだプランを展開することで選択肢を広げ、これまで契約に二の足を踏んでいた人の背中を押すこと。格安SIMは2014年も通信費節約の主役になりそうだ(本稿の価格表記はすべて税抜価格です)。

“ドコモだけ”からの脱却、auのスマホでも格安SIMが使える

 通信費を安くできると注目される格安SIMの中で、2013年に盛り上がったのは高速通信「LTE」を使えるサービスだった。データ通信量の上限は1Gバイト前後と少ないものの月額料金は定額プランで1000円前後と、格安SIMの主力商品となった。また、使い方次第ではさらに安いプランもあり、二段階定額プランの「ぷららモバイルLTE」は月額361円〜、「U-mobile*d ダブルフィックス」なら1Gバイトまで使えて月額680円と、アンダー1000円のプランもある。

ぷららモバイルLTEU-mobilek*d (左)ぷららモバイルLTE(右)U-mobile*d

 しかし、料金が安い半面、「設定が面倒」「スマホ本体は自分で調達」「通話はIP電話で低品質」「通信量の上限が低い」など、「実際に使うにはちょっと……」と及び腰になる人も多いようだ。MMD研究所が実施した「2014年4月携帯端末購入に関する定点調査」でも、格安SIMの利用者はわずか0.6%だった。

 ただ、利用者が少ないということは、裏を返せば「まだまだ普及の余地がある」ということで、格安SIM提供事業者は次々と新たな手を打っている。その1つが、2014年6月3日からサービスを開始するケイ・オプティコムの「mineo(マイネオ)」だ。

mineo

 そもそも格安SIMサービスは、大手携帯電話会社の回線を借りて独自サービスを展開するもの。とはいえ、これまではNTTドコモの回線を使ったサービスしかなく、SIMカードを差せる端末もNTTドコモが販売しているものか、SIMフリーのスマホしかなかった。

 mineoは、auの回線を借りてサービスを始めるため、対応端末にはauのスマホがズラリと並ぶ。対応エリアもau 4G LTEと同じなので、実人口カバー率99%と広いのが魅力だ。自宅や職場で「ドコモよりauのほうがよくつながる」という人ならmineoを選んだほうがいいかもしれない。

 ちなみにNTTドコモの回線を使う格安SIM勢にも動きがあった。回線提供社のNTTドコモは2014年3月、格安SIMサービス事業者向けのパケット接続料を最大で56.6%値下げすると発表。これにより、各社の料金プランがさらに安くなるかもしれない(すでに織り込み済みという話もあるが)。

格安SIMと端末がセット販売なら、買ってすぐに使える

DIGNO M

 もう1つ注目したい動きが、「格安SIMと端末のセット売り」だ。前述のmineoならばauの「DIGNO M(参考記事)」と組み合わせて提供する。これ以前にもセット販売はあったが、スマホの性能がいまひとつだったり、馴染みの薄い機種であったりすることがほとんどだった。しかし、「DIGNO M」は2013年11月発売と新しいスマホであり、現行機種と比べても機能面で見劣りしない。

 2014年4月に、8000台限定で発売された「イオンのスマートフォン」も話題になった。流通大手のイオンが、b-mobileの格安SIMとGoogleのSIMフリースマホ「Nexus 4」をセットで販売したものだ。7月に開始予定のU-NEXTの新サービス「U-mobile」では、中国のファーウェイが6月末に日本で発売するSIMフリースマホ「Ascend G6」をセットの端末として挙げている。

 BIGLOBEも、「Wi-Fiほぼスマホ」というサービスを投入した。格安SIMの「BIGLOBE LTE・3G」に組み合わせた「AQUOS PHONE SH90B」というスマホは、シャープならではのIGZO液晶を搭載した高性能モデルだ。

イオンWi-Fiほぼスマホ (左)イオンのスマートフォン(右)Wi-Fiほぼスマホ

 SIMと組み合わせる端末もスマホ以外に、モバイルWi-Fiルーターやタブレット端末「Nexus 7」などバリエーションが増え、ニーズに合わせて選べるようになってきた。セット販売であれば、挿入できるSIMカードのサイズを間違えたり、端末の動作確認で不安になったりすることもない。

 セット販売の端末の中には、面倒なAPN(Access Point Name)などの初期設定が済んでいるものもあり、購入後すぐに利用できる。イオンや家電量販店など、なじみのある店舗で購入できるのも格安SIM利用のハードルを下げることになるだろう。

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